日本心臓財団HOME > 日本心臓財団の活動 > 循環器最新情報 > 「心臓」特別号「弁膜症 大動脈弁狭窄と逆流」 > TAVIの現状と今後の展望
林田 健太郎(慶應義塾大学医学部 循環器内科)
Kentaro Hayashida [Department of Cardiology, Keio University School of Medicine]
経カテーテル的大動脈弁留置術 (Transcatheter aortic valve implantation, TAVI)は、周術期リスクが高く外科的大動脈弁置換術(SAVR)の適応とならない高リスクな患者群に対して、より低侵襲な治療として開発されてきた。2002年にフランスのRouen大学循環器内科のCribier教授によって第一例が施行されて以来、現在までに欧米を中心に世界中で20万例以上が治療されており、世界中で急速に普及している治療法である。日本でもようやく保険償還され、実施施設が拡大しつつある。当初海外での30日死亡率は非常に高かったが、最近では5%以下となっており、日本の初期成績ではさらに低下している。このTAVIの現状と今後の展望について概説したい。