食品成分表示のナトリウム含量は食塩相当量としては2.5倍 っから
東京大学名誉教授 杉本 恒明
日本人の食事摂取基準 2015年版の変更点
日本人の食事摂取基準2015年版では、ナトリウム(食塩相当量)目標量が、
男性9.0g/日未満から
8.0g/日未満に、
女性7.5g/日未満から
7.0g/日未満になりました。
また、日本高血圧学会では、高血圧の予防のために
男女とも6g/日未満を推奨しています。
※目標量とは、生活習慣病の一次予防(病気の発生そのものを防ぐこと)を目的として、現在の日本人が当面の目標とすべき摂取量。摂取量の減少を目指すものとして、コレステロール、ナトリウムがあります。
食塩相当量
食塩はナトリウムと塩素が結合したものです。ナトリウムの原子量は23、塩素の原子量は35.5です。原子量とは比較的な重さをいいます。二つの原子が合わさった食塩の比較的な重さは58.5となります。従って、ナトリウムが1グラムというときには、食塩は2.54グラムになります(58.5÷23≒2.54)。つまり、
食塩相当量=ナトリウム量×2.54というように計算します。
食品成分表示
手近にある即席麺のうどん、ラーメンの容器の表示をみてみました。昔の容器では表示されているのはナトリウム量だけでしたが、最近の容器には食塩相当量も記載されているものが多くみられます。
「きつねうどん一食96グラム入り」の容器にはナトリウム2.6グラムと表示してありましたが、この式で計算すると、食塩相当量=2.6×2.54で、6.6グラムになります。この容器にはもっと詳しく書いてありました。全体のカロリーは432キロカロリー、食塩6.6グラムであり、スープだけでは33キロカロリー、食塩3.8グラムとなっていました。スープを残せばカロリーは少し減りますが、食塩は半分程度になるわけです。
「豚骨ラーメン一食108グラム入り」の容器にはナトリウム2.5グラムとしてありました。計算上、食塩は6.35グラムであり、うどんの場合とあまり変りはありません。この容器の表示には全体のカロリーは399キロカロリー、食塩6.4グラムであり、スープでは96キロカロリー、食塩3.6グラムとなっていました。ラーメンではスープを残すだけでカロリーは大きく減少します。食塩は、きつねうどんでスープを残した場合と同じだけの食塩相当量になります。
*麺類ではスープを残すのが、減塩のポイントのようです!
外食の塩分
主な外食と調味料の塩分を紹介しておきます。
*外食では、塩分を多く摂取しがちです。一食が外食なら、他の二食で1日のバランスを取るなど工夫としてみましょう!
2015.3.16掲載