拡張型心筋症でのEF測定値
8年前に心筋症で入院し、詳しい病名に至らないまま、ずっと薬も飲まず安定しておりました。その間EF50%前後でした。
約2年前からEFが37%になり、心臓の働きも悪いということでアーチスト錠を少しずつ増量し、現在7.5ミリ服用しております。4ヶ月前の心エコーではEF40%でしたが、先週の心エコーでは32%に落ちました。主治医からは、心臓の大きさは4ヶ月前と変わらないのであまりEFに関しては心配しないようにといわれました。
しかし、その時にはじめて拡張型心筋症に当てはまるのではないかとの病名を言われ、大変ショックを受けました。
診断を確定するには心筋生検が必要とも言われました。
そこで質問ですが、4ヶ月くらいでEFは40%から32%に落ちることもあるのでしょうか。
また、心筋生検はリスク等ありますか。
予後がよくないといわれているので、状態が悪化しているのではないかと心配です。
回答
EF(左室駆出率)の低下をご心配のようです。EFというのは、心臓が1回毎に拍出する血液量を心臓の拡張期容積に対する比率で示した数値です。EFは拍出量が少なくなると小さくなり、心臓が大きくなって、拡張期容積が大きくなると、やはり小さくなります。ただし、このいずれも常に安定した一定の値ではなく、そのときどきでかなり変動しています。また、測定誤差も大きいものです。40%と32%とでは、測定誤差の範囲内です。ただし、アーチストはこのような場合によく用いられるのですが、心臓の活動を抑制する働きがありますので、これについては、担当医のお話をよく伺っておいてください。
心筋生検は鉗子のついたカテーテルを心臓内に挿入し、心臓の壁の一部をつまみとって、心筋組織を顕微鏡的に検査するものです。リスクとして、大きいのは心臓の穿孔ですが、これは簡単には起こるものではありません。
心臓の状態をご心配ですが、心臓の状態は症状によって表現されるものです。息切れなどの心臓症状が進行していなければ、あまりご心配なさる必要はないと思います。