疾患別解説

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薬を飲んでいるのに肥大が進行した

44歳 男性
2009年4月 7日

昨年夏に肥大型心筋症と診断され、年末の心エコー検査で約15mm程度の肥大が認められました。その後、本年の春の心エコー検査で肥大は21mm、圧較差45に増大し、カテーテル検査を勧められました。テノーミン、プレミネントの服薬後も、服薬前に比べてましにはなりましたが、階段を上った直後などに立ちくらみ、動悸、耳鳴りが起こることがあります。どれもしばらくするとおさまり、安静時は特に問題ありません。
昨年の検査から、3ヶ月間服薬を継続したのにもかかわらず、症状がむしろ悪化していると思われますが、その他の薬物治療を試みないまま、経皮的中隔心筋焼灼術を受けるべきかどうか判断できません。また、経皮的中隔心筋焼灼術は人工的に心筋梗塞を起こすとのことで外科手術と比較して肉体的負担が少ないものの長期的に問題がないか不安です。
そこで、
1)服薬後に肥大が急進行することはあるのでしょうか。
2)その他の薬物治療法はないのでしょうか。
3)経皮的中隔心筋焼灼術の長期的予後についてはどうなのでしょうか。
4)この状況で、もう少し薬物治療を続け様子を見る、といった選択肢は考えられますか。
5)経皮的中隔心筋焼灼術に対し、年齢、再発性などを考慮して外科手術のほうにメリットはないでしょうか。

回答

1)服薬しているのに、肥大が急速に進行したのは何故か、というご質問です。3か月の間に肥大が進行したということですが、計測は心エコーで行われています。心エコーでの計測は超音波ビームの投入の方向によって、異なることがあります。肥大の有無をいうのであれば、問題は少ないのですが、計測値を比較するのであれば、計測時の条件を同じにし、できれば計測者も同一人が担当することが望ましいとまでいわれています。数値を比較するのであれば、MRIまたはCTを用いた方がよいと思います。また、激しいスポーツを続けている場合には、肥大が急速に進行するということはあります。スポーツの程度は大丈夫だったのでしょうか。
2)その他の薬物治療はないか、とお尋ねです。現在の治療薬は標準的なものです。肥大が進行するようであるのであれば、スポーツを完全にやめるとか、もう少し、強力な薬に変更し、あるいは量を増すといった方法が考えられます。担当医にご相談ください。
3)心筋焼灼治療の長期予後はまだ、十分に明らかではありません。意識消失発作があったり、薬では治療できない不整脈があったりする症例では症状改善効果があることが知られています。
4)実際に、狭窄の程度がどれほどあるのか、焼ききることができるのか、ということが大事ですので、カテーテル検査の結果をまっては如何でしょうか。
5)外科手術となると、開胸手術となります。こちらは侵襲が大きくなります。また、このためにはカテーテル検査が必要になります。

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