心筋症の治療方法に疑問
昨年末、私の父親が拡張型心筋症で亡くなりました。その後、私のほうも胸に違和感(筋肉痛のようなだるさを左胸に感じたり、時折心臓がチクッとするような痛みがありました)を覚えるようになり、しばらくの間は父親が突然死したことによる精神的なショックのようなものだろうと思い放置しておりましたが、念のため受診した地元の病院で精密検査を薦められ、大学病院にて入院し心臓カテーテルでの心筋生検、心筋シンチなどの検査の結果、父親と同じ拡張型心筋症と診断されました。
現在の私の心臓は、EF(左室駆出率)52%、CTR(心胸郭比)40%で、主治医からはブロプレス錠8mg、アーチスト錠10mgの服用のために心臓の状態は改善されてきていると言われています。
今後は3ヶ月おきに心臓エコー、1年ごとに心電図検査を行い、経過を観察するとのことです。
そこで質問です。
1)主治医からアーチスト錠の服用量は増やせれば増やせられるほどいいと言われており、退院時に10mgとなりました。今後も外来でさらに服用量を増やす話をされていますが、父親の病院ではEFが私よりも悪い状態であるにも関わらずアーチスト錠は5mgでした。また、私は今後EFが40%を切るようになれば、ICDの埋込みを検討するように言われているのですが、父親の場合はICDの話すらなかったようです。このように病院や医師の間によって治療方法などについて判断が分かれるものなのでしょうか。
2)現在のところ私は主治医から食事制限、運動制限、就労制限については必要がなく、制限をしてもしなくても病状の進行には影響がないと言われているのですが、アーチスト錠の副作用のため血圧の低下もある状態で、本当に生活上の制限は必要ないのでしょうか。また、インターネットなどで調べると5年後の生存率は53%で症状は慢性進行性であり、年齢が若いほど病状の進行が早いというような記載があったのですが、今後私の心臓の状態はどうなるのでしょうか。
3)あるホームページで、拡張型心筋症で特定疾患の手続きをしていれば、特定疾患そのものが難病指定であるため身体障害者の対象となり1級、3級、4級のいずれかに当てはまるというような記載があったのですが、現在の主治医はあまり詳しくないようでした。このようなことはどちらに確認をすればいいのでしょうか。
回答
亡くなられたお父様と同じ診断を受けたということでご心配されておられることでしょう。
1)アーチストは必要であれば20mg位までは増量することがあります。しかし、もし10mgでも心臓の状態が良いと判断されれば、そのままの量で経過を見ることもあります。もし不整脈が出るようであればICD(植込み型除細動器)の埋め込みが突然死の予防に有効であることが明らかにされています。EF(駆出率を参照)が著明に低下すれば不整脈の危険性が増しますので、このために主治医のコメントがあったものと考えます。
2)EFも悪くなく、症状もないようですので現在生活上の制限は不要と思います。進行については、患者様によりさまざまですので、予測困難です。定期的に検査を受けて行かれることが大事です。血圧が低下しているのであれば、むしろブロプレスを減量しては如何と思います。主治医にご相談されてください。しかし、血圧がいつも低い、あるいは立ちくらみなどの症状がある、ということがなければ、できるだけ薬は継続されたほうが良いと思います。
3)特定疾患の認定および身体障害者の認定については、病院の医師の中に担当者として県から指定された方がおられますのでそちらに相談されてください。主治医に聞かれればわかるはずです。