疾患別解説

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産褥心筋症

28歳 女性
2005年2月22日

産後2ヶ月してから、急に息苦しくなり、心筋炎も疑われましたが、左心収縮不全のため、うっ血性心不全を起こしているとの診断でした。検査結果は、駆出率20%でした。出産が関係しているとのことです。現在心機能は回復しており(駆出率60%)、薬は飲んでいません。半年後検査をして、異常がなければ次は妊娠した時でいいといわれています。仕事には差し支えないでしょうか。また、私はもう一人子どもがほしいと思っているのですが、リスクが高すぎるでしょうか。産褥は予後良好といわれていますが、現在治癒したと考えてもいいのでしょうか。

回答

産褥(さんじょく)心筋症とは、原因はよく分かっておりませんが、妊娠後半期になって動悸、息切れ、疲労感、胸痛、むくみなどの心不全症状を表してくる心臓病であって、拡張型心筋症とよく似ている、心拡大を示してくる疾患であります。多くは出産後6ヶ月以内に治ってしまうのですが、ときに慢性心不全に向かってそのまま移行していったり、あるいは悪化することもあります。
そこで、あなた様のご質問ですが、この病気は予後良好といわれておりますが、現在自覚症状はほとんどなく、薬も飲んでいないとのこと。
また、駆出率とは心室容積のどれだけが拍出されるかという数字を意味しており、50%を越えるときには心臓の働きは正常であるといいます。したがって、これが20%であったという当初は大変な心機能低下状態であったわけですが、その後、60%となり、現在も60%であるというのであれば、すっかり健康な状態になったと考えてよいように思われます。仕事をしてよいか否か、再度、妊娠してよいか否かの判断は担当医の指示に従うことですが、一般的には、仕事は差し支えないと思いますし、産褥心筋症は初回妊娠では起こりやすいが、2度目以降の妊娠では起こりにくいといわれているので、妊娠も可能ではないかと思われます。

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