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2弁置換手術の危険度

54歳 男性
2007年6月12日

24年前に大動脈閉鎖不全により弁置換の手術を受けました。手術当初は、僧帽弁の逆流が1.5?2ぐらいでしたが、現在は3になったとのことで、再手術を考えなくてはいけないとのことです。しかし、家庭の事情で、手術は今すぐにはできません。自覚症状としては今のところ何もありません。

そこで、下記4点について教えてください。
1) 手術をする時期
2) 手術でのリスク(2回目になるので)
3) 今の状態で運動(1日20~30分歩いています)を続けても良いか
4) 身体に2つの弁が入るということへの恐怖感

回答

1)僧帽弁閉鎖不全の程度が3度の程度であれば、置換した大動脈弁がまったく正常に働いている限りは手術はそれほど急ぐ必要はないと思います。ただし、これは逆流の程度だけで判断していることであって、心臓の拡大の程度その他いろいろなことが加味されますので、一般論であるとお考えください。

2)手術のリスクはやはりある程度覚悟していただかなければなりません。日本全国で手術を受けられた患者さんの統計が出ていますが、大動脈弁と僧帽弁の2弁の手術は、病院死亡は5.5%と報告されていますが、それが再手術になりますと13.0%まで上昇しています。つまり2弁の再手術は2004年度で全国で69例行われ、9例が亡くなっています。ということで、決して低いものではないと思います。ただしこれは、2弁とも植え替える場合も含めてのことであり、今回貴方の手術に際しても大動脈弁はそのまま放置できるのか、あるいはそれも今一度置換しなければならないのか、僧帽弁は修復が可能で、弁置換は必要としないのか、等いろいろな条件によって危険度も違います。この全国集計はそういったすべての場合を含めた数値ですので、あくまでも参考値として判断してください。

3)運動を続けて良いのでしょうかということですが、基本的には弁膜症の場合、運動するということは決して良くはありません。仕事で必要な場合は、あえて中止は求めませんが、心臓に負担をかけないためには30分の歩行は望ましいとはいえないでしょう。

4)体に2つの弁が入るということの恐怖感は、人によってかなり違います。今すでに一つの弁を入れておられ、20数年間元気に生活しておられたのであれば、2つ目が入ったといってもあまり問題にならないと思います。

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