疾患別解説

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感染性心内膜炎における弁置換

36歳 女性
2007年5月26日

感染性心内膜炎で僧帽弁に10mm程度のゆうぜいがあると言われ、手術が必要になりました。基本的には弁形成は感染性心内膜炎では実施例が少ないので弁置換も考慮にいれたほうがいいといわれています。

1)感染性心内膜炎では弁形成は困難なのでしょうか。
2)低侵襲心臓手術の中でポートアクセスという方法を知りましたが、比較的利用されている手術方法なのでしょうか。
3)生体弁を選択したいと思っていますが、寿命が短いといわれています。ステントレスの生体弁は耐久性があると文献などではありましたが、どの程度の臨床成績があるのでしょうか。

回答

1)感染性心内膜炎の弁形成は一般的にはやはり困難です。ただし、これはどれくらい感染しているか、どれくらい弁の破壊がひどいか、そして感染がどの程度治まっているかといったことで異なります。最終的には弁の状況を見てからでなければ判断できないと思います。

2)ポートアクセスという方法はあまり用いられていません。特に弁形成を目標とする場合には、視野の関係で有利な方法ではないと思います。

3)36歳という年齢で生体弁を植えられると弁の寿命はかなり短くなります。20年の耐用性は不確実です。それまでに再手術になることが多いと思います。担当医とご相談になってお決めになるべきだと思いますが、これから子どもさんをもたれる計画がなければ、機械弁で置換されるほうが良いと思います。ただし、その場合は術後、抗凝血薬療法をずっと続けることが必要になります。

ステントレスの生体弁は一般的に大動脈の弁置換に用いられるもので、僧帽弁では用いられていません。

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