疾患別解説

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二尖弁でTAVIの適応はあるか

64歳 女性
2021年4月15日

体調が悪く、検査の結果、重症の大動脈弁狭窄症といわれ、手術と言われています。

虚弱体質なこともあり、開胸手術が不安で、TAVIを希望しましたが、医師からは反対されました。どうしたらよいでしょう。なお、私は二尖弁だそうです。

回答

治療手段の選択については、この場合には2つのポイントがあります。

1つ目は二尖弁です。3つに分かれるはずの弁葉が2つにしか分かれないため大動脈弁に対するストレスが大きくなっています。患者さんによっては大動脈の部分的な拡大や狭窄を合併していることがあり、高度な石灰化を来し、弁輪破裂や弁周囲逆流などをきたしたしていたりすることがあります。こうした場合、TAVI(カテーテルによる大動脈弁置換手術)では合併症のリスクが増加します。また、大動脈が変形している場合には、開胸術なら大動脈と大動脈弁を同時に治療できますが、TAVIでは大動脈を治療することができません。

2つ目は耐久性です。長期耐久性では、通常の生体弁がTAVI弁に勝ります。開胸術の年齢が若いので、開胸術で1回で済ませるか、TAVIで複数回の治療を受けるかということも考えたいところです。

あなたの主治医が開胸術を勧めるのには理由があるはずです。それを聞いておきましょう。十分な合意のもとで最適な治療に進まれることが望ましいと思います。

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