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85歳の大動脈弁狭窄症

85歳 男性
2006年1月26日

85歳の祖父は、20代に検査を受けた際に心臓弁膜症の気があると言われたことがあったそうですが、それから何度かめまい等の症状があるごとに病院で検査を受け、特に異常がないと元気に過しておりました。

先月、朝から咳をして夜息苦しいというので病院へ行くと肺炎になりかけており、2週間ほど入院しました。その入院中に心電図、エコー検査、レントゲンなどの検査を受け、大動脈弁狭窄症と診断されました。
心臓血管外科の診察で、40?50mmHgで要手術という値が、祖父の場合130mmHgあったそうで、血の通る所の面積のことかと思うのですが、普通2?4平方センチメートルあるものが祖父は1平方センチメートルだったそうです。

主治医からは、元気そうなので手術できるでしょうとのことでしたが、一方で術後が乗り切れるかどうか・・・ともおっしゃっていました。
ご家族で相談してくださいと言われましたが、まだ心臓血管外科で一回診てもらっただけですし、もう少し先生に相談したり、他の病院で診てもらったりした方がいいのでしょうか。
祖父の病状はどれくらい危険な状態なのでしょうか。
80歳代の手術というのはよくあることなのでしょうか。祖父は耐えられるのでしょうか。

回答

85歳で手術というのは珍しいことではありません。患者さんの場合、圧の開きは大きいので、大動脈弁の狭窄度は普通ですが、手術の対象となるほどのものです。
しかし、これによる症状としては、呼吸困難があるのですが、これまでに一度だけ、咳をしていて息苦しくなったことがあるという程度ですから、症状の上からは手術の必要があるとはいえないといえます。今後は咳を避けるような努力が必要でしょう。ただ、これは容易なことではないかもしれません。大動脈弁の手術は死亡率は大きくないとしても、85歳であるならば、術後、ボケ症状が急速に進行することが考えられます。また、高齢者では、しばらく臥床生活がつづくと、下肢の筋肉が萎縮して力が入らなくなり、立てなくなることがあります。これは廃用症候群といわれている状態です。高齢者が手術後、寝たきりになることが多いのは、このためです。手術をするか否かは患者さんあるいはご家族の意志によるのですが、このまま様子をみるという選択肢も残しておいては如何でしょうか。

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