老衰と治療をどのように考えたらよいのか
86歳の父のことでご相談いたします。
ずっと以前から心筋梗塞や前立腺ガンがあり、今年の春ごろから、老人性痴呆がはじまり、もうろうとしており、やや鬱気味。
食事は、ご飯は茶碗に一膳がやっと。三食、食べる。
手を引かないと歩けない。
目を閉じていることが多い。
現在の主治医がおっしゃるには、高齢者であり老衰に入っているので、たとえ大病院へ行って精密検査をして仮に悪いところが見つかっても、これ以上の治療は患者の負担になり、苦しませるだけなので、このままにした方が良いのでは?とのこと。
老衰により体が衰弱しているので適切な治療方法が見つからない、前立腺ガンと心筋梗塞は特に悪くはなっていない、という状況です。
老衰と治療ということについてどういう風に考えたらよいのでしょうか?
また、何科の先生に聞くべきなのでしょうか。
回答
老衰して痴呆がある状態であっても、病気があって、そのために何らかの苦痛があるときには、治療をしなければなりません。しかし、お尋ねの場合では、心筋梗塞と前立腺ガンがズーッと以前からあると書かれてあるだけで、どのような苦痛があるのか判りません。検査や治療は、患者さんに理解がない限りはむしろ患者さんを苦しめるだけのことになります。病気があっても、苦痛がないということはしばしばあることです。患者さんが望まなければソッとしておいて差し上げることが大事だと思います。
老衰はすべの人に訪れる状態ですので、何科であっても、相談にのってくれます。