妊娠中の健診で、ST、T異常が出た
毎年受けている健康診断の心電図検査で、今回はじめて「ST下降、T陰性」の結果が出ました。そんな折、第二子の妊娠が発覚したため、CTなどの検査は見送り、経過観察でいくことになりました。このような結果になり、胎児への影響など、とても不安です。
医師の話では、動脈硬化による心血管の縮小が疑われることもあるが、この所見の3分の2は何の異常もない場合であるとのこと。また、中年の健康な女性でこの心電図の所見が割合見られるが、ホルモンの影響だといわれているとのこと。
自覚症状はありません。ひどい肩凝りや軽度の貧血はありますが、血液検査や生活習慣からみてリスク要因はありません。リスク要因はないのに心電図異常ということでの不安もあります。違う病院で診てもらったほうがよいでしょうか。ご意見をお聞かせください。
回答
心電図に認められたST、Tの異常についてのお問い合わせですが、変化の程度がどの程度のものか文面からはわかりませんので、その程度を想像しながら一般的な意見を述べておきます。
担当医が言われるように、ST、Tの変化はいろいろな心臓の病気で見られます。心筋梗塞や狭心症をはじめ心臓肥大や心筋炎にも見られますが、心臓に何の病気もない場合にも見られます。健康な中年の女性にも時々見られることがありますが、多くの場合原因は不明です。
血液検査に異常はなく、動脈硬化のリスク要因もないということから想像しますと、問題にされているST、Tの変化もそれ程強いものではないだろうと思います。あまり病気と関係のない軽度なST、Tの変化は「非特異的ST、T」と呼ばれ、あまり重大に考える必要はありません。妊娠、出産にもまったく支障のないものです。違う病院でまた新たな処置や検査を受ける必要もないと思います。