心電図と喫煙の関係
心電図と喫煙の関係性を知りたいので教えてください。また,喫煙をすることによって、心電図にどのように現れるか特徴なども教えてください。
回答
心電図と喫煙の関係というだけでは広汎なものが含まれ、喫煙の量と期間、吸う人の年齢経験と病気の有無などによって以下のように、いろいろの側面があります。
1)先ず正常人がタバコ1本を吸った時に心電図に起こる変化は、頻脈、P 波が大きくなる、 T波が低くなる、などが多く、まれに ST 下降、期外収縮などがみられます。しかしこれらは多く交感神経の緊張を介すると思われ、特異的な(タバコに特有の)変化ではありません。心電図だけみた人が、タバコによる変化だといえるような所見はないということです。
2)一本のタバコに含まれるニコチンは微量ですが、初めてタバコを吸った人では吐き気や下痢、いわゆる気分が悪くなるなどの症状も出ます。しかし心電図には直接の効果はなく、脈拍の変動などが一時的に加わるだけのようです(この辺は実例が少ない)。
3)一方既存の病気があると、タバコで重大な作用が起こり得ます。虚血性疾患のある人では狭心症が誘発されることがあります。不整脈が誘発される場合もあり、重篤な不整脈の引き金になることもあると言われています。
4)長期間にわたってタバコを吸うことは心臓疾患の危険因子とされています。吸っていない人にくらべて発病が多いということですが、その理由は(諸説あるが)十分明らかにされていません。また心電図によってタバコを吸っている人か否か、どの位の期間吸っていたか、などを判定することは不可能です。