遅延電位陽性とは何か
平成15年12月に従来からの循環器内科医の紹介で同じ病院の不整脈専門医に診てもらい、加算平均心電図(LP)をとりました。この結果、強陽性であり、悪い不整脈が起こる可能性があるので、カテーテル検査を勧められています。このLPとは、どのようなもので(何を調べるもの)で、強陽性という結果はどのくらい危険なのでしょうか?(因みに不整脈の自覚症状はほとんど無く日常生活は普通に行っています)
また、以前、菌血症を起こしたことがあり、カテーテル検査が気が進まないと言ったところ、主治医からアンカロンの服用を勧められました。アンカロンは、間質性肺炎など重い副作用があるので、CTなどを撮りながら服用を進めるとのことですが、危険性と効果はどのようなものでしょうか?
なお、4年前に大動脈瘤手術を行い、術後1週間で肺梗塞、これに伴う心筋梗塞を同時に起こし、治療中に菌血症が発生しています。心筋梗塞の結果、心臓の先端の方に跡が残っていると云われております。4年前の手術で人工の大動脈、冠動脈にステントを挿入しています。
回答
LP(LatePotential)電位は遅延電位と呼ばれています。心筋梗塞の痕跡の中で生き残った心筋細胞から由来する電位であり、これが不整脈の源になることがあるといわれています。ただ、これがあっても、なんらの支障もない場合が多く、経過中のホルター心電図検査で心室頻拍がみられたり、カテーテル検査でこれが誘発されたりすることがなければ、治療の対象とはならないのが通例です。
アンカロンは現在、もっとも効果的な致命的不整脈の治療薬とみられています。これによる肺障害発生率は4.1%となっています。このうち、間質性肺炎の発生率は1.9%です。