非特異性ST-T異常とは何か
昨年の会社の健康診断で心電図検査を受けたところ、心室性期外収縮という結果でした。さらに今年の健康診断では、非特異性ST-T異常と追加されていて、ホルター心電図検査が必要とのことでした。検査にはいくつもりですが、非特異性ST-T異常とは、どのようなものなのでしょうか。
回答
心筋への酸素供給が不十分になると、心筋虚血という状態が起こり、心電図上、ST-T変化という所見がでてきます。また、心室の壁の肥大があっても、ST-T変化がみられます。このように原因が明らかなST-T変化を特異性ST-T変化といいます。一方、更年期の女性にはしばしば、原因不明のST-T変化がみられます。原因不明という場合は他にもいろいろあるのですが、こうした原因不明のST-T変化を一括して、非特異性ST-T変化というのです。非特異性ST-T変化は病気というわけではないので、放置してかまいません。しかしながら、特異性ST-T変化と非特異性ST-T変化とは心電図の上で区別がつきにくい場合があります。精密検査が勧められているのはこのためです。51歳の女性ということですから、たぶん、心配のないST-T変化であろうと思います。気にしないように、しかし、甘くみることはなく、念のための精密検査を受けておくことをお勧めします。