目を強打した後のスポーツマンの房室ブロック
1週間前に、格闘技選手の夫が、柔道の練習中、練習相手の膝が左目に当たり、激痛と吐き気を伴って整形外科に運ばれ、眼か底骨折と診断されました。その際、心電図に異常がありとのことであり、総合病院に搬送され、そこで、完全房室ブロックとの診断があり、永久ペースメーカの装着を前提に、一時的にペースメーカを装着いたしました。
しかし、翌日には、心臓の機能も回復しペースメーカの必要もなくなりました。3日後には一時的ペースメーカも取れ、24時間の心電図検査を受けましたが、房室ブロックの症状もまったく出てないとのことでした。
ペースメーカが取れてからというもの、医師は病室にも来なくなり、主人はただ心電図計をつけて、ベッドに寝てすごしている状態です。
完全房室ブロックという病気の説明も医師の方からは、ありません。ただ、1分間に60回は心拍がないと徐脈であるため、ペースメーカの装着をお勧めするとの説明があっただけです。
主人は、もともとスポーツ選手であり、定期的に検査を受けておりますが、心電図で房室ブロック等を指摘されたことはないそうですし、通常の脈も1分間に53?58程度だそうです。
また、骨折の関係で眼科を受診した際に、眼球を強打した場合には、一時的な徐脈と心電図異常が見られるとの説明も受けました。
完全房室ブロックという病気はどういうものなのでしょうか。今回、眼を強打したこととの因果関係はありますでしょうか。
今後、いつまで入院するかもわからないのですが、主人は運動をやめなければならないでしょうか。
回答
完全房室ブロックとは、心房から心室への興奮伝導が完全に損なわれた状態です。回復の見込みがないときには永久ペースメーカを植え込まなければなりません。
スポーツマンでは日ごろ、この伝導系は抑制されていて、ブロックを起こしやすい状態にあります。そしてまた、目を強打されると、迷走神経緊張が高まって、このブロックが高度になる場合があります。しかし、迷走神経緊張が過度のためのブロックは一時的であり、日を経て回復します。以上のことから、ご主人の場合は、ブロックがこのような一時的なものなのか、ほかに原因があっての完全房室ブロックなのかを判別するために、観察がつづけられているのでしょう。このまま回復すれば、今後、スポーツをつづけることは可能と思います。