右脚ブロックとブルガダ症候群
20年以上前から健康診断で「完全右脚ブロック」の所見が有りましたが、要観察で過ごしてきました。
今年、人間ドックでの勧めもあり循環器内科で精密検査を受けたところ、「ブルガダ型波形」と診断され「埋め込み型除細動器」の装着を勧められました。
これまで、ジョギングや10キロ程度のマラソンを楽しんできましたし、自覚症状や突然死の家族歴もありません。
医師の話では、このままでは突然死の可能性もあるとのことですが、「除細動器」をつけなければならないのでしょうか。また、除細動器をつけた場合、生活をする上で不具合な点や留意することはありますか。
回答
1)右脚ブロックがある場合、心電図波形がブルガダ症候群と区別しにくい場合はしばしばあります。しかも他方、右脚ブロックは1,000人に3人というくらいにありふれた現象です。これまでに、失神あるいはこれに近い意識消失といった発作がなく、身内に突然死した方もいないというのであれば、事故が起こる確率は心電図上、何も異常がない人とあまり変わることはないといわれています。したがって、このまま気にしないで、これまで通りにしていてよいのではないでしょうか。もっとも、これは心電図波形がどの程度にブルガダ症候群らしいのか、にもよることではあります。
2)除細動器を取り付けた場合の不都合には、まず、装着手術があります。手術というものには危険が皆無ではありません。そして手術には長い時間を要します。ついでは、その後、定期的な機能チェックが必要になります。また、その後の生活の中での問題があります。第一に機器の誤作動があり得ます。誤ってショック通電をしてしまうということです。さらに第二に、現実にはあまり心配はいらないといわれますが、携帯電話をはじめ、空港や官庁入り口での身体チェック、電磁気用調理器具などにも注意しなければなりません。