ブルガダ症候群の診断に、電気生理検査を受けるべきか
健康診断で2年連続して房室ブロックと判定されました。念のため専門病院で運動負荷をかけて心電図を取って診てもらったほうが良いと言われ、専門病院で検査したところ、タイプ2のブルガダ症候群の疑いがある、とのことでした。
その後、24時間ホルター心電図では2秒程度の房室ブロックがあったが、特に問題ないとのこと。サンリズム負荷試験では、通常の位置での心電図は正常だが、一肋間上の心電図はブルガダ症候群のタイプ1という結果でした。
循環器専門医の話では、ブルガダ症候群か否かはわからないので、長めの運動負荷後の心電図を取っても良いかもしれないということでしたが、このくらいの症状で心臓電気生理検査を受けない人もいるそうです。
ブルガダ症候群かどうかを確かめるために心臓電気生理検査を受ける必要性の有無について、ご意見をお聞かせください。
回答
ブルガダ症候群は特徴的な心電図所見を呈し、日本人若年男性に多いという疫学的な統計があり、最近注目されている疾患です。
心電図の異常は特徴的ですが、心拍数や自律神経の影響などにより日内変動や日差変動があることから、その診断は短時間の心電図のみではなかなか困難なことがあります。
1肋間上の心電図やサンリズム負荷試験などが診断的価値があるとされていますが、異論もあります。
最も重要な点は、心室細動発生のリスク評価で、これには心臓電気生理学的検査が必要です。薬物負荷や電気刺激によって心室細動が誘発されるか否か、またその誘発されやすさなどを、専門的な知識と経験を持った医師が客観的に評価することが必要です。
まずはブルガダ症候群の診断を確定し、リスク評価を行うために心臓電気生理学的検査が本当に必要かどうか、循環器専門医のうちの経験豊富な不整脈の専門家に相談するのがよいと思います。