QT延長症候群の治療はどこまで進んだか
小学5年生の時に大学病院でQT延長症候群と診断されました。当時はベータ遮断薬(テノーミン)を服用するしかないと診断されました。
その後は10年ほど服用していたのですが、心電図をとることくらいしか診察がなく、病院にいかなくなりました。
現在、この病気はどのあたりまで解ってきたのでしょうか。遺伝するとなると、今後考えないといけないことがあるので。
ちなみに家族のうち、QT延長症候群と診断されたのは母と私と妹です。
回答
まれな疾患ですが、身内にもあるのであれば遺伝性のものでしょう。
近年の進歩といわれると、やや専門的になりますが、
「1990年頃から遺伝子の解析が進んだが、結果はかなり複雑で、多くの種類があることがわかっている。常染色体優勢遺伝のものでも5種類以上の遺伝子部位の関係するものが報告されている。さらに後天性とされたものの中にも遺伝子変異の関与がある場合があるともいわれ、後天性要因との関係も複雑である。遺伝子異常は細胞膜にあるイオン透過孔(イオンチャネル)の形成に関連し、これがQT 延長、不整脈の原因となることがわかった。
症例についても遺伝子型別の統計なども出されたが、一方次第に多くの例が知られ、現象的には個々の例による差も大きい。他の遺伝性疾患と同様、後天性要因も症状発現には当然関係があり、これを含む統計は不十分で、個々の例の説明、対策はなお不満足な面が多い。」
ということになります。
子孫への遺伝については、遺伝子分析の結果ということもありますが、目下法的規制はないと思います。すべて重症というわけではないので、主治医の意見も参考に、各自の哲学によって考えることになろうかと思います。