疾患別解説

疾患別の解説と過去の相談事例がご覧いただけます。

最近の頻脈症状はWPW症候群のせいか

25歳 男性
2004年3月 8日

5歳の時に、胸が苦しくなり病院で診察を受けたところWPW症候群と診断されました。それから、大学病院などで検査を受けましたが、生活する上で規制もなく、薬の常用もしていません。時々発作が起きますが、少し体勢を低くし呼吸を止めるとすぐに治まるので、もう8年ぐらい医師の診察を受けていません。

昨年頃から特に頻繁に発作が起こるようになり、しかも、今までの発作とは少し様子の違う発作が起こる時もあります。脈が飛ぶような感じが何度も起きたり、時には立て続けにポンポンと脈が飛ぶような感覚があります。(これは期外収縮と言うものでしょうか?)
下記4点が気になります。
1)発作の頻度が増したこと
2)期外収縮の様な症状
3)期外収縮なのか、WPWの発作なのか区別がつかないくらい一瞬の頻脈。
4)特に心臓に違和感を覚えない時でも、脈を計ると一定のリズムではない気がする。

最近起こり始めたこれらの症状は、WPW症候群とは異なる心臓病でしょうか?
WPW症候群の症状が以前より悪くなるということはあるのでしょうか?
カテーテルで焼ききる手術ができると聞きましたが、どのような手術なのでしょうか?
以前、通勤途中の車内の中で約10分間、急な眩暈と立ちくらみ、呼吸の苦しさに襲われましたがこれも心臓からきているのでしょうか?
また、不整脈の人が脳溢血(?)になると聞いたことがありますが、私にもその危険性はあるのでしょうか?
カテーテルの手術を受けない限り、結局毎回同じ検査と、同じ話を聞くだけ(現状維持)のような気がしているのですが、他の治療を受ける必要もあるのでしょうか?

回答

WPW症候群の場合は、心臓内に正常伝導路の他に副伝導路という興奮伝導路があり、正常伝導路と副伝導路の間を興奮が旋回するために、頻拍発作が起こるのが特徴です。頻拍発作が起こると、脈拍数は150?180くらいになり、心臓が突然踊り出すような感じとなります。
一方、期外収縮は健康な人でもしばしばみられる不整脈ですが、WPW症候群がある人の場合には、これが頻拍の引き金になります。頻拍は呼吸を止めたりすると停止しますが、これは呼吸を止めると正常伝導路の興奮伝導が抑制されるためです。
また、カテーテルアブレーション手術は副伝導路を電気的に焼ききって興奮旋回が起こらなくする治療です。
WPW症候群ではもう一つ、心房細動という不整脈が起こりやすくなることも知られています。これは副伝導路が複数にあるときにみられ易くなります。心房細動が起こるとめまいや立ちくらみが起こりやすくなります。心房細動が3日以上つづくことが繰り返しあるときには、心房内に血栓ができ、これが脳に飛んで、脳梗塞を起こすことを警戒しなければなりません。ご質問の中で脳溢血になる心配をしておられるのは、このことかと思います。
以上のご説明で、あなたさまに起こっている不整脈の内容をご推測いただけるのではないかと思います。いつも同じ検査で同じ話をきくだけであるといっておられますが、新しい検査を必要としない状態であると思われているのであろうと思います。これまでにはなかった新しい症状があるようでしたら、担当医まで遠慮無く申し出るようになさってください。

この回答はお役に立ちましたか?

病気の症状には個人差があります。
あなたの病気のご相談もぜひお聞かせください。

高齢者の心臓病 高齢者の心臓病
CLOSE
ご寄付のお願い