疾患別解説

疾患別の解説と過去の相談事例がご覧いただけます。

WPW症候群の治療について

65歳 男性
2003年11月21日

65歳の父についてご相談いたします。
薬(ワソラン、セロケン)をしっかり飲めば発作は起きないようですが、飲み方が少ないと度々発作が起きるようです。担当医よりカテーテルアブレーションを勧められましたが、血栓が飛んで心筋梗塞や脳梗塞になってしまわないかとても心配です。
カテーテルアブレーションの成功率は90?95%と聞きます。残りの5?10%はどうなってしまうのでしょうか?
リスクを怖がるなら一生甘んじて薬を飲むべきか?それとも多少のリスクを背負ってでもカテーテルアブレーションに臨むべきでしょうか?

回答

1)WPW症候群で上室性頻拍を伴う患者さんの場合、カテーテルアブレーションによる根治療法は、現在第一選択の治療法と考えられます。10年以上前までは薬物による長期的コントロールが主体でしたが、アブレーションが可能になってからは、それが根治療法であること、成功率が高く(最近では97?8%)再発がないこと、短期間の入院で内科医の手によって治療ができること、長期の薬物服用が不必要で副作用の心配がないことなどから、真っ先に考慮すべき治療法といえます。
2)各種抗不整脈薬を用いる薬物療法は、長期服用が必要で、副作用の発現を考慮する必要があること、効果が確実ではなく再発があり得ることなどから、アブレーションができない場合、あるいはアブレーション不成功の場合の選択肢と考えられます。
3)アブレーションに伴うリスクはもちろんゼロではありませんが、経験を積んだ施設で行えば極めて安全な治療法といえます。どのようなリスクがあるか、それまでの成績はどうか、主治医の説明をよくお聞きになってください。
血栓を心配しているようですが、WPW症候群におけるアブレーションに伴って血栓ができることはなく、むしろ上室性頻拍が頻回に起こることの方がリスクを高めると考えられます。

この回答はお役に立ちましたか?

病気の症状には個人差があります。
あなたの病気のご相談もぜひお聞かせください。

高齢者の心臓病 高齢者の心臓病
CLOSE
ご寄付のお願い