慢性心房細動の予後と生活上の注意
10年ほど前から、期外収縮+発作性心房細動があり、半年前から慢性心房細動になりました。当初は気分が悪い・みぞおちが痛むなどの自覚症状がありましたが、現在は、胸が詰まる感じや、特に疲労時に軽い運動でも脈が上がる等以外には、苦痛を伴う自覚症状はありません。主治医からアブレーション治療を勧められましたが、ネットで調べたら恐ろしくて受ける気になれませんでした。
以下質問ですが、
1) 慢性心房細動は、常に心臓が痙攣している状況のようですが、心不全になりやすいなどで、寿命が短くなってしまうものでしょうか。
2)慢性心房細動のせいか、最近かなり疲れやすくなり、睡眠不足や疲労時には、脈拍が速くなりますが、このような症状は一般的でしょうか。
3) そのような場合、仕事としてはハードワークを避けるよう会社に言うべきでしょうか
4)ワーファリン投与を開始し、適量を調査治療中ですが、今後、脈をコントロールする薬の投与が必要でしょうか。副作用は強いのでしょうか。
5) 運動はジョギングも停止し、ウォーキングに切り替えましたが、瞬発的に激しい運動は避ける必要がありますか。
回答
1) 心房細動は心房が細かく動いていて、血液を拍出できるようなまとまった動きがないので、心臓収縮の効率が低下します。30%ほど、低下するとされています。したがって、それだけ、心不全になりやすいとはいえます。
2)脈拍数が速くなりやすいのは心房細動の特徴の一つです。細かく速い頻度で動く心房の興奮波が房室結節を経由して、心室を興奮させるのですが、房室結節の伝導性がよすぎると、それだけ、多くの心房興奮波が房室結節を通過し、心室興奮の数、つまり脈拍の数を増やすことになります。房室結節の伝導性は若い人ではよいのですが、加齢にともなって低下していくので、脈拍数は若い人では速く、辛いのですが、齢をとると、脈拍数は遅くなり、辛くなくなります。脈拍数をコントロールする薬というのは、房室結節の伝導性を抑制する働きをもつ薬のことです。
3)脈拍数が多くなり過ぎて、辛いならば仕事を控えたほうが楽でしょう。しかし、脈拍数は薬でコントロールできます。また、心房細動に慣れていったり、歳をとっていけば、苦痛ではなくなるのが普通です。
4)脈拍数をコントロールするのは、むつかしいことではありません。副作用もほとんどありません。辛ければ、脈拍数のコントロール薬を用いるのがよいと思います。
5) 瞬発的な激しい運動は避けてください。