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心原性脳梗塞発症後、ワーファリンからアスピリンに薬が変更された

66歳 男性
2007年11月21日

昨年の職場の健康診断で、心電図が要再検と初めて言われ、病院で心エコー、ホルター心電図の検査を受け、発作性心房細動のごく軽度のものと診断されました。基礎疾患もまったくないため、不整脈に関する処方のみで経過観察となりました。

不整脈の薬は飲み続けていたにもかかわらず、今年の春に、起床時に言葉がうまく出なくなり、早朝、救急車で脳外科に運ばれました。脳梗塞との診断でした。
約3ヵ月の入院後、現在は自宅にてリハビリ中です。
いろいろ調べると、心房細動の長時間発作が原因で血栓が生じると書かれていました。私の場合、発作性心房細動があっても、わずかの時間で回復し、自覚症状もまったくありませんでしたが、なぜ脳梗塞を発症したのかわかりません。何か別の原因・病気が潜んでいる可能性はあるのでしょうか。

退院後、薬もワーファリンからアスピリンへと処方が変更され、心臓もそれほど問題なしとのことです。このような経過の中、薬を弱めることは非常に不安です。
アスピリンで再発の予防ができるのでしょうか。

回答

発作性心房細動を繰り返している間に、心房内血栓を生じ、これが脳に飛んで、脳梗塞を起こしたものと考えられます。今日、脳梗塞には、このような心原性脳梗塞が大変、増加している状況にあります。
1)ワーファリンからアスピリンへの変更についてですが、脳梗塞には出血を伴うものがあり、出血性梗塞といわれます。この場合には、血液凝固を阻止する強い薬は変更、あるいは中止しなければなりません。
2)他に別の原因はないかということですが、脳梗塞は発作性心房細動には高い頻度で、合併するできごとですので、他に原因がなければならないということはありません。
3)アスピリンで再発予防が可能か、ということです。予防可能と言い切れませんが、ほかに方法がありません。ただし、手段としては、発作性心房細動を起こらなくするという方法があります。薬を用いるにしても、カテーテル治療を行うにしても、むつかしいことであり、これで脳梗塞を予防できるという根拠はまだないのですが、担当医にご相談になってみては如何でしょうか。

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