心房細動のアブレーション治療で完治する確率はどのくらいか
昨年夏にはじめて心房細動が出ました。その後は、ときどき期外収縮がありましたが、医師の話では心配ないとのことでした。
今年の夏に、久しぶりに心房細動が出ました。毎日一時間程度歩いていますので、暑さのため無理であったようです。
主治医は薬剤で様子を見るとのことですが、服薬治療のままでよいものでしょうか。たとえば、手術(電気で焼きつける治療)などあるそうですが、完治の確率は70パーセントくらいとのことらしいのですが、いかがなものでしょうか。
回答
心房細動発作が症状の上で、苦痛が大きかったり、発作が心不全を誘発したり、あるいは脳梗塞が懸念されていたりする場合には、カテーテル・アブレーション治療が考慮されます。これは肺静脈に心房細動の起源となる電気活動があると考えられるところから、肺静脈と心房の間のつながりを電気的に焼灼するという治療法です。先端に電極をつけたカテーテルを静脈から右心房、さらに心房中隔を穿刺して、左心房まで進入させ、4本の肺静脈がそれぞれ、心房に繋がる箇所を通電して焼灼します。技術的に大変、むずかしく、優れた医療チームと医療器械がそろっていることが前提となります。それでも成功率は70%くらいです。予想される事故には、肺静脈の狭窄、心・血管のカテーテルによる穿通、脳梗塞などがあります。
心房細動は珍しい不整脈ではなく、格別な病気がない人でも、加齢とともに、しばしば起こってくる不整脈です。症状にもよることですが、まずは薬物治療で様子をみるというのが普通です。アブレーション治療が必要な段階になったときには、担当医によい医師を紹介してもらってください。