心房細動の薬は一生服用しなければいけないのか
昨年の秋に心房細動の発作を起こし、点滴治療により回復しました。
主治医の話では、一度心房細動を起こした場合、よくなることはまずないので、薬(バイアスピリン錠、サンリズムカプセル)を今後ずっと(一生)服用するとのことです。
心房細動の明確な発生は昨年秋の1回だけですが、発作が起きそうな感覚は時々ある状況です。薬をやめると発作が起きそうな気もしますし、かといって、ずっと飲み続けることは、薬の副作用を考えると不安です。
薬は一生、飲み続けなければならないのでしょうか。
回答
発作性心房細動を起こした後、今後ずっとサンリズムを服用するように言われて十分に納得できずお悩みの由ですが、心房細動、特に発作性のものは人によってその起こり方が極めて千差万別で、一般的な話は個々の場合に必ずしも通用せず、また医師によって使用する薬の種類や使い方も違いますので、ここでは以下筆者の考え方を述べておきます。
若い人、特に40代以下の人で過労、寝不足、ストレスなどが原因で心房細動が起こることがありますが、そういう場合は休息や睡眠をとるだけで簡単に治ることが多く、その後も発作を繰り返すことはめったにありません。また50歳後半を過ぎるあたりから高齢になるとともに発作の回数が増え、1ヶ月に数回とか1週に数回というふうに頻回に繰り返す人が増え、人によって慢性に移行してしまう人もあります。
51歳というとその境目ぐらいの年齢で、1度起こったからといって今度再び繰り返すか否かはまったく予知ができません。昨年秋に起こって以来すでに半年以上発作が起こっていないようですが、これだけで今後一生薬を飲まなければならないときめてしまうにはちょっと疑問を感じます。
大体心房細動というのは心房性期外収縮(不整脈の一種)が引き金になって起こり始めます。「発作が起こりそうな感覚」というのは恐らくこの心房性期外収縮が頻発しているのを感じているのだろうと思いますが、発作の起こりそうな感じがあるときや、すでに発作が起こってしまったときはその直後にサンリズムカプセルを頓服薬として服用すればよいと思います。
以上は、あくまで筆者の通常の処方の仕方です。ご参考までに。