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心房細動による脳梗塞の治療

65歳 男性
2005年10月 3日

一週間前に父が夜中にトイレに行こうとした時、急に自分で立つことが困難になり倒れました。直ぐに救急車で近くの脳神経外科へ搬送され、発見と処置が早かったために比較的軽い脳梗塞と診断されました。心房細動が原因による脳梗塞だそうです。
搬送された直後は、右半分手足が動かなく、言語も失語しておりましたが、日が経つにつれ、体の自由も効くようになり言語のほうも少しずつ回復して会話が少しできるようになってきたところでした。倒れた直後は点滴をしていましたが、現在は飲み薬に変わっています。

本日、病院から朝食をとらないとの連絡があり、病院に行くと再び別の場所で脳梗塞を起こしたとのことでした。今度は左側がまったく反応なくグルグルとイビキをしている様な息のしかたで、現在もMRIの診断待ちの状態です。

素人の意見で恐縮ですが、今回のMRIの結果が出たとしても、おそらく今まで通りの点滴治療しか病院はしないのではと思います。脳の梗塞を薬で溶かしても、また心臓から固まった血が流れて脳梗塞を引き起こすのではないかと不安です。

このまま今の一般内科しかない病院で治療するより、循環器系の心臓専門の病院へ転院するほうがいいのかと思ったりもしています。
今後の生活も含めて、アドバイスをいただきたく、よろしくお願いいたします。

回答

心房細動があるときには、心房筋の収縮がみられず、したがって、心房内に血液が停滞して血液が凝固しやすい状態となります。とくに、心房の一部である心耳という部分には凝血をつくりやすくなります。この凝血の一部が剥がれて、脳に飛び、血管を詰めて起こった状態が脳梗塞です。
治療としては、血栓溶解薬の点滴を行います。凝血は一旦、剥がれると、続けて剥がれることがあり、お父様の場合も、このようなことから脳梗塞発作が続いたものと思います。
脳梗塞の急性期が過ぎた後は、血栓を作りにくくする血栓予防薬を用います。こちらのほうは内服薬です。

しかし、どんなに薬を用いていても、脳梗塞の再発を完全に防止することはできません。多くの人についての統計をとってみると、予防薬を用いていたほうが幾分か、再発が少なかったといえるという程度の効果しかありません。心房細動では、脳梗塞の予防が大変、難しい、かつ、大きな課題となっているのです。

心房細動があるときの脳梗塞の予防的治療は循環器科か神経内科で担当するのが普通です。しかし、心房細動はごくありきたりの病気であり、また、予防的治療は生涯に亘ることであり、とくに専門性を必要とするものではありません。このため、一般内科で管理されることが多いものです。専門医の意見を求めるのは結構なことですが、病院を変えることでよくなるとは思われません。

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