疾患別解説

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なぜ誘発試験をするのか

37歳 男性
2005年5月 3日

宴会があった翌日の仕事からの帰宅中、突然胸に違和感を覚え、脈をとってみたところバラバラの脈で冷や汗が出て立っていられなくなりましたので、病院に連れて行ってもらいました。その際は、エコー、ホルター心電図、負荷試験等を行いましたが、異常はありませんでした。
しかし、その後1ヶ月に1度位のペースで不整脈が起こり立っていられない状態が常態化してしまいました。カテーテル検査を受け、誘発検査を受けたところ、期外収縮と特発性心房細動と診断されました。
病名が分かったのは良かったのですが、検査後から薬を飲んでも心房細動が収まらず、就寝するまでの約10時間は、まるで自分の心臓ではないように感じられるほど脈が乱れていました。
現在は検査から5か月が過ぎ、時折不整脈が出たかな?と感じるほどまで回復していますが、どうしてもカテーテル検査の際の症状が忘れられず、いつ出るのかという不安で運動もままならない状態が続いています。
1)なぜカテーテル検査で誘発する必要があったのか。また、どのような方法で誘発したのか。その検査で症状が出たということは今後もいつか症状が出る可能性があるということなのでしょうか?
2)昨年に比べ、今年は明らかに不整脈の発生回数が減ったのですが、これは回復傾向にあると考えて良いのでしょうか?
3)薬は、現在グランダキシンを1日3回、デパスは体の違和感を覚える時、サンリズムは不整脈を感じるときに飲むようにしています。これらの薬はいつまで飲む必要があるのでしょうか。

回答

1)発作性心房細動は発作時の心電図をとることによって、診断されます。しかし、発作時を捉えることは大変難しいので、発作の誘発試験を行うのです。これを電気生理検査といいます。電極のついたカテーテルを心臓内に挿入して、電位記録を行いながら、心房の電気刺激を行い、発作を誘発します。これによって、発作の内容を知るばかりでなく、心房細動の発生機転や心房筋の電気生理学的な性状を併せて知り、治療計画に役立てることができます。
2)不整脈の発作回数は自然に変動します。加齢とともに消失することもありますし、逆に加齢によって、発作が増加することもあります。また、薬を服用している間は発作が起こりにくいということもあるわけです。回復傾向にあるというよりも、そのような変動のなかにあると考える方が適切でしょう。
3)ある期間、発作が出なければ、薬の服用は休んでみるということをします。担当医の指示に従って、薬を減らしたり、増やしたり、あるいは中止したり、加減なさるのがよいと思います。

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