疾患別解説

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カテーテルアブレーションの安全性

56歳 女性
2003年9月28日

30代の頃から頻脈があり、何度もホルター心電図、超音波、レントゲン検査を受けましたが、異常が見つかりませんでした。
一昨年、1時間以上頻脈が止まらず、病院で点滴でとめた際、心電図で上室性頻拍症の診断がつきました。40代後半までは年に数回、出ない年も多くありましたので、自分でとめたりしながら様子をみていましたが、今年はすでに10回以上出て、主治医にカテーテルアブレーションを薦められています。しかし合併症、医療事故が心配でたいへん悩んでいます。

1)このままにしておくとどうなりますか?もっと重い病気に移行したり、他を併発したりする危険性はありますか
2) パートで仕事をしていますが退院後はすぐに復帰できますか?
3) 夫が単身赴任中でケアしてくれる者はいませんので、やるなら3年後という選択は如何ですか。それとも早いほうがいいでしょうか。

回答

発作性上室性頻拍の治療に関しては、数年前からカテーテルアブレーション治療が可能になり、根治療法として広く行われるようになりました。
発作の度に苦しい思いをし、薬剤の静注を必要としてきた患者さんにとっては、大きな福音になっています。
設備が整い、充分な経験を積んだ不整脈専門医が複数いる病院であれば、合併症の発生を最小限に抑え、的確な治療が可能であると思います。ただし、上室性頻拍といっても患者さんの個人差があり、その発生機序もさまざまですので、きちんとした検査を行って頻拍発生の状況を正確に把握した上で治療法を決定すべきです。
以下、患者さんのご質問にお答えします。

1)放っておくとどうなるか?
上室性頻拍そのものが命取りになるようなことはありませんが、長時間持続すればうっ血性心不全を招く可能性はあります。

2)治療後直ぐに仕事に復帰できるか?
カテーテル治療後1日はベッド上安静、その後数日は重労働は避ける必要があります。退院後の仕事は問題ないと思います。

3)3年後でもよいか?
発作の頻度が多くなく、発作時には息こらえや冷水で停止が可能であれば、少し先でもよいと思います。発作の頻度が多ければ、抗不整脈薬を用いてある程度の予防を図る必要があります。発作がなかなか止まらず、その都度薬剤の静注が必要な場合は、なるべく早い時期にアブレーション治療を受けるのがよいでしょう。

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