心室期外収縮にアブレーション治療を勧められているが、どうだろうか
57歳
女性
2018年3月15日
10年ほど前に突然の不整脈で救急外来を受診しました。心室性期外収縮の多発(14000/日)で、CT等の検査を受けましたが、明らかな所見はなく、放置してもよい不整脈とのことで、特に薬も使わず経過観察しておりました。
一昨年の暮れから不整脈が多発するようになり、二段脈が続いて咳き込んだり、息切れを起こしたり、夜、動悸がひどく眠れないことも起きるようになったため、主治医にお薬の処方をお願いしましたら、カテーテルアブレーション治療を勧められました。
とりあえずはお薬を試したいと希望し、メインテート、アーチスト、メキシチール、サンリズム、ワソランと順次試しましたが、効果がありませんでした。
そこで、不整脈専門外来にてアブレーション手術の具体的な説明を聞きましたが、私の場合は、珍しいところ(左室の奥の方、僧帽弁倫付近)が起源になっているので、成功率は5割から6割とのことでした。
もとの主治医は完治する可能性があるなら受けてみてはどうかとすすめてくれますが、リスクもあるので迷っています。
一昨年の暮れから不整脈が多発するようになり、二段脈が続いて咳き込んだり、息切れを起こしたり、夜、動悸がひどく眠れないことも起きるようになったため、主治医にお薬の処方をお願いしましたら、カテーテルアブレーション治療を勧められました。
とりあえずはお薬を試したいと希望し、メインテート、アーチスト、メキシチール、サンリズム、ワソランと順次試しましたが、効果がありませんでした。
そこで、不整脈専門外来にてアブレーション手術の具体的な説明を聞きましたが、私の場合は、珍しいところ(左室の奥の方、僧帽弁倫付近)が起源になっているので、成功率は5割から6割とのことでした。
もとの主治医は完治する可能性があるなら受けてみてはどうかとすすめてくれますが、リスクもあるので迷っています。
回答
心室期外収縮に対する治療方針について悩んでいらっしゃるご質問ですが、これまでの経緯を拝見すると、それぞれの段階での医師の対処法はいずれも適切であるように思います。
回答者としては以下のように考えます。
1)まず、心筋梗塞や拡張型心筋症などの重篤な基礎疾患がないことが確認されている場合、あるいは心電図上の心室期外収縮の形状が重症度の高い期外収縮ではないのであれば、期外収縮を抑制するための積極的な治療を行わないことが原則です。ご質問の方の場合にも、この二つの条件が確認されているので、治療はしないで経過を見るという選択が第一になります。
2)しかし、これらの期外収縮が発生することによって強い症状を自覚し、日常生活に支障があるという場合には、次の段階として、薬剤を用いて期外収縮数を減少させることを検討し、あるいは最後の手段として、アブレーションによって根治を図るといった治療法を考えることになりましょう。薬としては、質問者の場合のように、メインテート、アーチスト、メキシチール、サンリズム、ワソラン、さらにはアミオダロンというような作用機序の異なる薬剤を順次試みてみます。アブレーション治療は最後の手段となるものです。しかし、アブレーション治療にはリスクがありますし、その心室期外収縮根治率は100%ではありません。ことに僧帽弁輪付近のアブレーションの場合には房室ブロックという厄介な合併症を生じる可能性もあります。
3)回答者が問題としたいのは、期外収縮の自覚症状が強く、とても耐えられないといわれていることについてです。実は期外収縮は健康な人でも7ないし8割の人にはみられていながら、自覚されていないものなのであり、過労であったり、悩み事があったりして感受性が高まっているときにこれが意識され、苦痛に思われるという性質のものであるという点です。つまり、心配事が解決すれば、気にはならなくなるというのが期外収縮の特徴なのです。
以上の三点をお考えいただいて、ご判断いただきましょう。つまり、場合によっては、ある程度のリスクを考慮してもアブレーションを試みるという選択はないわけではありませんが、危険がない限りは、慌てて治療を急ぐことはないので、放置して、しばらく様子をみていてはどうか、というのが回答者のお勧めです。
回答者としては以下のように考えます。
1)まず、心筋梗塞や拡張型心筋症などの重篤な基礎疾患がないことが確認されている場合、あるいは心電図上の心室期外収縮の形状が重症度の高い期外収縮ではないのであれば、期外収縮を抑制するための積極的な治療を行わないことが原則です。ご質問の方の場合にも、この二つの条件が確認されているので、治療はしないで経過を見るという選択が第一になります。
2)しかし、これらの期外収縮が発生することによって強い症状を自覚し、日常生活に支障があるという場合には、次の段階として、薬剤を用いて期外収縮数を減少させることを検討し、あるいは最後の手段として、アブレーションによって根治を図るといった治療法を考えることになりましょう。薬としては、質問者の場合のように、メインテート、アーチスト、メキシチール、サンリズム、ワソラン、さらにはアミオダロンというような作用機序の異なる薬剤を順次試みてみます。アブレーション治療は最後の手段となるものです。しかし、アブレーション治療にはリスクがありますし、その心室期外収縮根治率は100%ではありません。ことに僧帽弁輪付近のアブレーションの場合には房室ブロックという厄介な合併症を生じる可能性もあります。
3)回答者が問題としたいのは、期外収縮の自覚症状が強く、とても耐えられないといわれていることについてです。実は期外収縮は健康な人でも7ないし8割の人にはみられていながら、自覚されていないものなのであり、過労であったり、悩み事があったりして感受性が高まっているときにこれが意識され、苦痛に思われるという性質のものであるという点です。つまり、心配事が解決すれば、気にはならなくなるというのが期外収縮の特徴なのです。
以上の三点をお考えいただいて、ご判断いただきましょう。つまり、場合によっては、ある程度のリスクを考慮してもアブレーションを試みるという選択はないわけではありませんが、危険がない限りは、慌てて治療を急ぐことはないので、放置して、しばらく様子をみていてはどうか、というのが回答者のお勧めです。