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メディア・医療関係者向け
メールマガジン 第210号

HEART WEB NEWS for Media No.210

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【日本心臓財団 HEART WEB NEWS for Media 第210号】2023年2月1日発行(月刊)
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【目次】
 トピック:救急・救助の現況
 榊原記念研究助成金募集のお知らせ
 雑誌「心臓」1月号巻頭特集:変わりゆく高齢者の循環器診療
 ドクターのつぶやき:コロナ・パンデミックと予知能力
 循環器病予防eラーニング講座ご案内
 ご寄附のお願い

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【トピック】

 救急・救助の現況

 先日、総務省消防庁から「令和4年版 救急・救助の現況」(令和3年度中の統計)が公表されました。
 当財団ホームページ掲載の「循環器最新情報 実地診療のためのデータベース 救急活動の現状」に掲載している図も、令和4年度版の数字に変更いたしました。
 https://www.jhf.or.jp/pro/info/kyukyu.html

 一般市民による目撃がある心原性心停止(心臓が原因の心停止)26,500人のうち、15,225人(57.5%)に一般市民が心肺蘇生を実施しており、一般市民による心肺蘇生実施率は約6割となっています。しかしながら、一般市民によるAEDでの除細動が行われたのはわずか1,096名(約4%)でした。
 心原性心停止の場合、救急車の到着(全国平均約9.4分)を待っているだけでは1ヶ月後の生存率はわずか7.0%ですが、そこに居合わせた一般の方が心肺蘇生を実施すると1ヶ月後の生存率は約2倍の14.1%になります。さらにAEDによる除細動が行われれば1ヶ月後の生存率はなんと49.3%と、約半数の方が救命され、その8割以上が1ヶ月後の社会復帰が可能になります。

 一般市民によるAEDを使用した除細動が少しでも早く実施されることで、まだまだたくさんの命を救える可能性があります。
 除細動が行われなかった例には、除細動の適応がなかった場合も含まれますが、その場にAEDがなかった場合も数多くあったと思われます。わが国のAED設置台数は約50万台以上ともいわれ、非常にたくさんの数が設置されていますが、適切な場所に設置されていない、設置場所がわからないということも考えられます。普段からAEDの設置場所を意識することが必要です。

 一方で、コロナ禍の影響で消防庁をはじめとする救命講習の実施が大幅に減少した結果、ここ数年の講習受講者数は大きく減少しています。その場にいる一般市民の救命処置の実施が心臓突然死を防ぐ大きな力であることを考えると、新規受講者数及び既受講者の復習の機会が少なくなっていることは大変残念です。
 最近は救命講習もオンラインにより自宅で行えるものなどもありますので、ぜひ定期的にご参加してみてください。

 最近はまた感染が拡大し、地域によっては医療ひっ迫により救急医療が十分に実施できない状況にもなりつつありますので、ご自身の健康に留意して、体調管理や寒い日の外出などでの気温差に十分ご注意ください。

 参考:日本AED財団が実施しているオンライン講習
 https://aed-zaidan.jp/workshop.html

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【研究助成募集のお知らせ】

第21回(2023年度)榊原記念研究助成金
【心不全に迫る:基礎と臨床から】
募集中(2023年4月5日締切り)。詳細は
http://www.hq.heart.or.jp/wp/research-g/guidelines/

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【雑誌「心臓」特集のお知らせ】

☆「心臓」が2020年1月号より、大幅にリニューアルされています。今までの特集や投稿論文のほか、循環器内科医・心臓外科医の海外留学の現状を綴った連載や、循環器医が知っておく最新のエビデンスなど、魅力的なコンテンツが掲載されています。

☆「心臓」掲載投稿論文は、日本循環器学会認定循環器専門医の研修単位を3単位取得できます。皆様の投稿をお待ちしております。

 現在販売中の「心臓」1月号の特集は、「変わりゆく高齢者の循環器診療」(企画:上原雅恵・東京大学循環器内科助教)です。高齢者の診療は併存疾患が多く、多くの薬を併用しており、侵襲的な検査や治療が難しい場合も多い。また入院に伴うADLの低下や退院後のサポートなど多職種連携により総合的な評価と治療方針の決定が必要です。本号では、さまざまな循環器疾患やリハビリテーションの重要性について解説しています。
 次号2月号(2月15日発売)の特集は「座談会:不整脈非薬物治療ガイドラインの改訂ポイントは?~デバイス編」です。

 https://www.jhf.or.jp/pro/shinzo/new_con.html

 「心臓」ホームページ
 https://www.jhf.or.jp/shinzo/

 「心臓」に投稿しようという流れになったら(PDF)
 https://onl.sc/w1nTLW3

 J-Stage「心臓」バックナンバー
 https://www.jstage.jst.go.jp/browse/shinzo/-char/ja/

☆「心臓」は、日本循環器学会との共同発行です。ご支援いただくための教室賛助会員・病院賛助会員を募集しています。詳細は本誌をご覧ください。
 
 「心臓」の購読・広告に関するお問い合わせ
 https://www.jhf.or.jp/shinzo/pur-ad.html

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【ドクターのつぶやき】
 
 コロナ・パンデミックと予知能力

 コロナのパンデミックが収まらない。これまで感染拡大を抑止するため、マスクの着用、手指消毒、食事中の会話の制限、集会の規制、人の往来の抑制など感染に対する生活の行動規制を貫いてきたが、3年も経つといい加減疲れてくる。
 国も経済活動の復帰が世界に遅れて、国の負債だけが膨らむのは避けたいと考える。当然の事である。中国ではゼロコロナ政策の続行に暴動まで起きてしまった。急遽、緩和政策に舵を切った途端、恐ろしいほどの感染爆発が生じている。これまで制限されていた中国からのインバウンドが急増すれば、わが国の医療体制は再び破綻の危機に晒される。
 筆者も東京の学会に久々にリアル出席しようと予定していたが、周辺に感染者が急増したためオンライン出席に切り替える羽目となった。なかなか、予定通りにはいかないものである。

 あらゆる動物の中で先を読んで、「自らの死」や「死のリスク」を怖がるのは、人類(ホモサピエンス)のみであることは、よく知られている。ゴリラは先を読まないので、死を怖がらない。
 しかし、今回のCOVID-19が、このようなパンデミックになることや、3年も続くことは誰が予測したであろうか? 多くの人が、100年前のスペイン風邪と同じような経緯を辿るのではないかと考えていたのではなかろうか。
 予測能力について、天声人語に、英国の宰相、チャーチルの言葉が紹介されていた。▼政治的手腕とは、明日、来週、来月、来年どうなるかを予告する能力である。英宰相のチャーチルはかつて述べた。予測の難しさを熟知する彼はこう続ける。「かつ、なぜそうならなかったかを説明する能力でもある」▼ 

 人類は、紀元前数万年頃に生じた認知革命によって、「未来」というバーチャルな世界を想像する能力を付与されたのであるが、未来を正確に予見する能力は与えられていない。今回のコロナ・パンデミックもスペイン風邪と同じように、2年ほどで収束すると思っていたが、その予見は見事に裏切られたのである。
 今回のコロナ・パンデミックがいつ収束するか、見えている人はいるのだろうか?人類のメタ認知(バーチャル認知)能力は、いま話題になっているが、「未来」の予知能力はまだまだ未熟であると言わざるを得ない。(M.H.)

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【循環器病予防eラーニング講座ご案内】

 このeラーニング講座では、(一社)日本循環器病予防学会主催の日本循環器病予防セミナー※1、保健指導レベルアップセミナー※2で行われた講義内容を中心に、循環器病予防の疫学研究、臨床研究、また保健指導に関しての講義が約60講義配信されています。
第一線で活躍される先生方の講義を通して、予防ガイドラインの根拠となるエビデンスがどのような研究計画を経て得られるか、どのように理解すればよいのかが理解できるプログラムとなっています。さらに、循環器病予防の知識を療養指導に活かすためのプログラムが備わっています。
登録視聴は無料ですので、是非ご活用下さい。

<eラーニング講座のご案内>
https://www.doumyaku-c.jp/elearning/JACD/no32-seminar.html
(配信:一般社団法人スマートウエルネスコミュニティ協議会)

※1 日本循環器病予防セミナー 
 主催:一般社団法人日本循環器病予防学会 
 共催:公益財団法人日本心臓財団
http://www.jacd.info/yobou-seminar/index.html

※2 保健指導レベルアップセミナー 
 主催:一般社団法人日本循環器病予防学会
 http://www.jacd.info/hokenshidou-seminar/index.html

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【ご寄附のお願い】

 日本心臓財団は皆様の寄附により支えられております。
 https://www.jhf.or.jp/kifu/

 ○どなたでも100円からクレジットカードで寄附ができます
  https://ent.mb.softbank.jp/apl/charity/sp/creditSelect.jsp?corp=298
 
 ○ソフトバンクのスマホをご利用の方は携帯料金と一緒にご寄附ができます
  https://ent.mb.softbank.jp/apl/charity/sp/select.jsp?corp=298

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 日本心臓財団HEART WEB NEWS
 発行:日本心臓財団
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さい]
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