メディア・医療関係者向け
メールマガジン 第201号
HEART WEB NEWS for Media No.201
====================================================【日本心臓財団 HEART WEB NEWS for Media 第201号】2022年5月2日発行(月刊)
====================================================【目次】
トピック:不整脈とは
雑誌「心臓」4月号巻頭特集「心臓リハビリテーション~最近のエビデンスと実践」
ドクターのつぶやき:(特別寄稿)減塩の大切さ
循環器病予防eラーニング講座ご案内
ご寄附のお願い
====================================================【トピック】
不整脈とは
不整脈と聞くと、脈拍に異常がある病気と思われがちですが、不整脈とは脈拍の異常ではなく、心臓のリズム(調律)の異常のことをいいます。
「不整脈」を英語にしてみるとよくわかります。不整脈のことは英語でarrhythmia(アリズミア)といいます。
真ん中にrhythm(リズム)という語が隠されています。ここで学生時代に習った英語の知識を思い出してください。接頭語として先頭に「a」が付くと否定あるいは反対の状態を表しますね。また接尾語の「ia」はその状態を示します。
つまり日本語に読み替えれば、「否リズム状態」すなわち「(心臓の電気的興奮の)リズムが異常になった状態」ということになります。
このように考えると、「不整脈」というよりも「心調律異常」あるいは「心臓リズム異常」といったほうがより正確に病態を表すのかもしれません。
しかし、医学の世界にこの概念が取り入れられたときから、わが国では「不整脈」ということばがずっと使われているのです。
また、「不整脈」というのは病名ではなく病態の総称です。つまり、心臓の電気的興奮のリズムが異常になったさまざまな状態をすべて「不整脈」といいます。
この不整脈には、大きく分けて脈がとぶように感じる期外収縮、脈が速くなる頻脈、脈が遅くなる徐脈の三つがあります。また、不整脈には治療の必要のないものから放っておくと命に関わる危険なものまでいろいろあります。
健康成人で不整脈がまったくない人はいないといってもよいほど、不整脈は一般的なものです。不整脈がありながら自分ではまったく気づかず、身体検査ではじめて不整脈を指摘される人も少なくありません。
不整脈を指摘されたときに、脈の不整や激しい動悸を感じる場合は専門医を受診しましょう。それがどんな不整脈なのか、そのまま放置しておいてよいものなのか、危険な不整脈に発展することがないか、治療を要する不整脈なのか、などをよく聞いて適切な指導をうけることが大切です。
治療しなくてもよいものもたくさんありますが、不整脈によっては心不全や失神発作を起こしたり、脳梗塞を併発したりするものもあり、早期の治療が必要な場合があることを念頭においてください。
日本心臓財団ホームページ「疾患別解説:不整脈」より
https://www.jhf.or.jp/check/opinion/category/c1/
====================================================【雑誌「心臓」特集のお知らせ】
☆「心臓」が2020年1月号より、大幅にリニューアルされました。今までの特集や投稿論文のほか、循環器内科医・心臓外科医の海外留学の現状を綴った連載や、循環器医が知っておく最新のエビデンスなど、魅力的なコンテンツが掲載されています。
☆「心臓」掲載投稿論文は、日本循環器学会認定循環器専門医の研修単位を3単位取得できます。皆様の投稿をお待ちしております。
現在販売中の「心臓」4月号の特集は、「心臓リハビリテーション~最近のエビデンスと実践」(企画:神谷健太郎・北里大学医療衛生学部教授)です。近年、心臓リハビリテーション(心リハ)は従来の運動療法を主体とした役割から疾病管理、フレイル予防など多面的、包括的役割を求められています。本号では、急性期、回復期、維持期、遠隔システムのそれぞれについての最新のエビデンスと実践を紹介しています。
次号5月号(5月15日発売)の特集は「カテーテルアブレーションにおける3次元マッピングシステムの新たな展開」です。
https://www.jhf.or.jp/pro/shinzo/new_con.html
「心臓」ホームページ
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心臓編集室
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J-Stage「心臓」バックナンバー
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☆「心臓」は、日本循環器学会との共同発行です。ご支援いただくための教室賛助会員・病院賛助会員を募集しています。詳細は本誌をご覧ください。
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====================================================【ドクターのつぶやき】(特別寄稿)
減塩の大切さ
上島弘嗣(滋賀医科大学名誉教授)
今年の一月に長年共同研究で指導を受けてきたシカゴ、ノースウェスタン大学教授のスタムラー先生が亡くなられた。102歳であった。先生は数年前まで高血圧予防の論文を書かれていた。そして、自分たちが研究し公表してきた健康法を忠実に実行されていた。
コレステロールの上がる動物性脂肪(魚を除く)の取りすぎに注意し、食塩摂取は極力控えておられた。20年ほど前にお邪魔した自宅では、自宅のパン焼き機で作った無塩パンを食べておられた。
私は40歳代の半ばから降圧薬を服用して高血圧のコントロールに努めていたが、今から思うと、なかなか減塩はできていなかった。減塩ができたのは、8年ほど前からで、原則、家では食塩無添加の食事をするようになってからであった(ドクターうえしまの塩切り奮闘記、ライフサイエンス出版、2021年)。
ところが、私よりもずっと以前から、しかももっと厳格に無塩無糖の食事をされている先生に出会った。鹿児島県の霧島記念病院の循環器内科医の中尾先生であった。おそらく、日本でもっとも長期にわたり、食塩無添加(加えて無糖)の食事をされているドクターであろうと推測している。
日本は1980年代の半ばころから、世界の長寿国の首位を占め今日に至っているが、この大きな要因は、高血圧からくる脳卒中を克服したことである。そのもとは、食塩摂取量の減少であった。当時、日本における高血圧の主因は過剰な食塩摂取にあった。
なぜ国民の食塩摂取量が減少したのか、私は、その主因は家庭における冷蔵庫の急速な普及と流通機構の改善によって、塩を含まない生鮮食品が容易に手に入るようになったことと考えている。
さらに、日本に多かった胃がんは、国立がんセンターの研究でも、食塩の過剰摂取がピロリ菌とともに関連しているとされている。
減塩は健康長寿のもとなのである。
====================================================【循環器病予防eラーニング講座ご案内】
このeラーニング講座では、(一社)日本循環器病予防学会主催の日本循環器病予防セミナー※1、保健指導レベルアップセミナー※2で行われた講義内容を中心に、循環器病予防の疫学研究、臨床研究、また保健指導に関しての講義が約60講義配信されています。
第一線で活躍される先生方の講義を通して、予防ガイドラインの根拠となるエビデンスがどのような研究計画を経て得られるか、どのように理解すればよいのかが理解できるプログラムとなっています。さらに、循環器病予防の知識を療養指導に活かすためのプログラムが備わっています。
登録視聴は無料ですので、是非ご活用下さい。
<eラーニング講座のご案内>
https://www.doumyaku-c.jp/elearning/JACD/no32-seminar.html
(配信:一般社団法人スマートウエルネスコミュニティ協議会)
※1 日本循環器病予防セミナー
主催:一般社団法人日本循環器病予防学会
共催:公益財団法人日本心臓財団
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http://www.jacd.info/hokenshidou-seminar/index.html
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