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メディア・医療関係者向け
メールマガジン 第166号

HEART WEB NEWS for Media No.166

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【日本心臓財団 HEART WEB NEWS for Media 第166号】2019年6月6日発行(月刊)
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・現在、医療関係者とメディアには同じ情報をお送りしています。ご了承ください。

【目次】
 トピックス:心房細動って、どんな病気?
 お知らせ:心臓の「叫び」に気づいてください。
 イベント情報
 雑誌「心臓」5月号巻頭特集
 「心臓リハビリテーションと病診連携・地域包括ケア」
 ドクターのつぶやき:何処でも誰でも心臓リハビリが受けられる
 ご寄附のお願い

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【トピックス】

 心房細動って、どんな病気?

 3月に横浜で第83回日本循環器学会学術集会市民公開講座「心臓病・血管病を予防して健康長寿」が開催されました。
 今回はその中から、心房細動について清水渉先生(日本医科大学教授)がお話しされた内容をご紹介します。
 もっと詳しい内容は、当財団ホームページ、機関紙「季報」6月発行号をご覧ください。

 心房細動の患者数は年齢とともに増え、70歳以上では男性の3~4%、女性の2%にみられます。2019年現在、わが国の患者数は約100万人といわれていますが、これは健康診断時に見つかった人で、ときどき発作が起こる発作性心房細動の人まで含めれば、百数十万人にのぼると考えられます。
 これほど多い病気ですが、心房細動の半数以上には、症状がありません。健康診断を受けて、初めて心房細動を指摘され、医療機関を受診するケースも多くあります。残りの半数には、不整脈自体を反映して起こる症状(動悸、胸部不快感など)や、不整脈によって血の巡りが悪くなることによる症状(疲労、めまい、失神など)が出る場合もあります。動悸は、一言で表現しづらい症状ですが、「何となく脈が乱れる」「ざわざわする」と訴える方もいらっしゃいます。また、年のせいで疲れやすいと思っていたら、実は心房細動だったということもよくあります。

 心房細動の治療の基本は薬物治療です。薬物治療には、抗不整脈薬によって心房の興奮を抑える「洞調律維持療法」と、心房と心室を繋ぐ房室結節のフィルターのはたらきを強化して、心室に伝わる興奮を減らす「心拍数調節療法」があり、不整脈の経過とともに、治療法も異なります。
 また、カテーテルアブレーション治療も行われます。アブレーションは「焼灼」のことで、「カテーテルを用いて高周波のエネルギーで不整脈を焼き切る」という意味です。
 
 心房細動は命にかかわる不整脈ではありませんが、心房細動が原因となって起こる脳梗塞(心原性脳塞栓症)は麻痺を起こし命に直結します。心房細動になると、心臓のなかに血の塊(血栓)ができやすくなります。それがはがれ、血流に乗って脳までいき、脳の血管に詰まると、心原性脳塞栓症を発症します。
 心房細動治療では、血栓をできにくくする抗血栓療法として、古くからワルファリンが用いられていましたが、7~8年前から4種類の新しい抗凝固薬も登場し、ワルファリンと同等またはそれ以上の効果をあげています。

 心原性脳塞栓症は、命だけでなく寝たきりの原因にもなり健康寿命を短くします。心房細動に伴う脳梗塞を予防する、あるいは再発を防ぐことは、健康寿命を延ばし、要介護、要支援者を減らすことにつながります。
 
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【お知らせ】

 心臓の「叫び」に気づいてください。(ACジャパン&日本心臓財団)

 テレビ、ラジオ、新聞広告を通じて、日本心臓財団の新しいACジャパンの支援キャンペーンが放送されています。
ユーモアのある映像で、高齢者の心不全を予防するため、とくに治療効果の高い弁膜症の早期発見と適切なタイミングでの治療を啓発します。

 ACジャパンのキャンペーンの動画ページ(リンク)
 https://www.ad-c.or.jp/campaign/support/support_03.html

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【イベント情報】

★8月10日は健康ハートの日 健康ハートイベントのお知らせ★

 □■東京:健康ハートの日フェア

 日 時:2018年8月4日(日)10時~16時
 場 所:丸の内オアゾ1階〇〇広場
     JR「東京駅」丸の内北口すぐ

 内 容:体験コーナー
     血圧測定、動脈硬化測定、体脂肪測定
     携帯型心電計による心電図測定
     AED(自動体外式除細動器)体験
     医療相談・栄養相談
 参加費:無料
 共 催:日本心臓財団・日本循環器学会
 協 力:オムロンヘルスケア(株)、フクダ電子(株)

 □■金沢:ハートの日2020

 日 時:2018年8月10日(土)13時~17時
 場 所:ホテル金沢(2階ダイヤモンド)
 内 容:特別講演、医療相談、検査測定など
 参加費:無料
 主 催:金沢循環器病院(ハートの日実行委員会)
 後 援:日本心臓財団、北國新聞社ほか

 □■第10回ハートの日 in GIFU
   「家族で心臓病を考える」

 日 時:2018年8月10日(土)10時~17時
 場 所:岐阜市文化産業交流センター じゅうろくプラザ
 内 容:講演会「心不全ってなに?」「者様に聞く 心不全体験談」
     夏休みこども病院体験
 参加費:無料
 主 催:ハートの日in GIFU実行委員会
共 催:日本心臓財団

 □■名古屋:第11回ハートの日

 日 時:2018年8月11日(日)
 場 所:今池ガスビル
 内 容:詳細未定

 □■豊橋:第20回ハートの日

 日 時:2018年8月11日(日)8時30分~15時30分
 場 所:ロワジールホテル豊橋 ホリデイホール
 内 容:健康テーマパーク・救急蘇生法講習会
     ハート講演会「がんばらない健康長寿実践塾」
 参加費:無料
 主 催:ハートの日実行委員会、共 催:日本心臓財団

 □■第6回京都ハートの日

 日 時:2018年8月11日(日) 14時~17時
 場 所:メルパルク京都 5階会議室
 内 容:講演「心臓リハビリテーションについて」
     講演「心臓血管病現在の対策」
     シンポジウム「心臓病予防のために」
 参加費:無料
 共 催:京都ハートの日実行委員会・日本心臓財団

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【雑誌「心臓」特集のお知らせ】

☆「心臓」掲載投稿論文が、日本循環器学会認定循環器専門医の研修単位を3単位取得できるようになりました。皆様の投稿をお待ちしております。

 現在発売中の「心臓」5月号の特集は、「心臓リハビリテーションと病診連携・地域包括ケア」(企画:牧田茂先生・埼玉医大教授)です。超高齢社会を迎えた日本では、高齢者の心不全が急増しています。心不全の予後改善や再入院を減らしてQOLの高い生活を維持するためには、疾病管理プログラムに基づく生活習慣の改善や心臓リハビリテーションの実施など多職種参加によるチーム医療が求められています。また病院の機能分担や医療施設間の緊密な連携も重要です。本号では都市型、地方の特色を生かしたリハビリやIoTを活用したリハビリなど地域包括ケアを見据えた特集を掲載しています。
 次号6月号(6月15日発行)は、「低侵襲心臓デバイスの進歩と今後の展望」です。

 「心臓」ホームページ
 http://www.jhf.or.jp/shinzo/

 心臓編集室
 http://www.jhf.or.jp/shinzo/inquire.html

 J-Stage「心臓」バックナンバー
 https://www.jstage.jst.go.jp/browse/shinzo/-char/ja/

☆「心臓」は、日本循環器学会との共同発行です。ご支援いただくための教室
賛助会員・病院賛助会員を募集しています。詳細は本誌をご覧ください。
 
 「心臓」の購読・広告に関するお問い合わせ
 http://www.jhf.or.jp/shinzo/pur-ad.html

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【ドクターのつぶやき】
 
 何処でも誰でも心臓リハビリが受けられる

 日本の心臓リハビリは世界的だ。木村登教授(久留米医大)による1956年報告を始めとする。1988年に健康保険の適応を受け、急性心筋梗塞や開心術後患者等に福音をもたらした。
 グローバルなプロトコールも調い、4週間入院プログラムによって社会復帰が円滑に諮られた。そして本来の再発予防活動への期待も膨らんだ。
 ところが超高齢社会の到来とそれに呼応したDPC制度の本格運用が心臓リハビリを危うくしてしまった。

 その代表例が高齢心不全である。
 今や心臓リハビリの主な対象疾患となり、その重みは年々増している。しかも心不全患者はフレイルも併せもつ。介護負担が大きい。
 それにも拘わらず、DPC病院は入院期間の短縮ばかりを競い合い、2015年以降は循環器病患者の平均在院日数は15日間を割り込んだ。DPC施設でのリハビリ活動が全く危うい。近々の調査によれば、心不全では患者の7.3%でしか適切な心臓リハビリが受けられていない。衝撃的である。リハビリ難民の多発と言えよう。

 しかし、漸くこの不条理を糾す機会が訪れた。昨年末の循環器病基本対策法成立である。この中で心臓リハビリに大きな期待が寄せられている。それは、循環器病患者の社会復帰や再発予防、フレイル予防のみならず、ハイリスク未病者の発症予防や高齢者の健康増進にも及んでいる。
 何処でも誰でもが心臓リハビリを受ければ、介護ニーズが大幅に軽減する。今後の展開に注目しよう。(T.I.)

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【日本循環器病予防セミナー eラーニング受講のご案内】

一般社団法人動脈硬化予防啓発センターでは、一般社団法人日本循環器病予防学会主催の日本循環器病予防セミナー※で行われた講義内容を中心に、eラーニングとして医療関係者向けに無料配信しております。

配信講義は、日本循環器病予防セミナーから厳選した31講義と、本講座のために収録した基礎的な内容のクイックレクチャー8講義で構成されています。
これら第一線で活躍される先生方の講義を通して、予防ガイドラインの根拠となるエビデンスがどのような研究計画を経て得られるかなどが理解できるプログラムとなっております。
さらに、受講者の立場に立って講義のカテゴリー分類を行い、受講者が目的に合った講義を選びやすいよう工夫しております。

※日本循環器病予防セミナー
 循環器病予防の疫学研究・臨床研究の基礎と実践を学ぶ5日間の教育セミナー。
 年1回開催。

 主催:日本循環器病予防学会
 共催:日本心臓財団
 協力:動脈硬化予防啓発センター

<eラーニング受講登録ページ>
http://www.doumyaku-c.jp/elearning/JACD/no31-seminar.html

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【ご寄附のお願い】

 日本心臓財団は皆様の寄附により支えられております。
 http://www.jhf.or.jp/kifu/

 ○どなたでも100円からクレジットカードで寄附ができます
  https://ent.mb.softbank.jp/apl/charity/sp/creditSelect.jsp?corp=298
 
 ○ソフトバンクのスマホをご利用の方は携帯料金と一緒にご寄附ができます
  https://ent.mb.softbank.jp/apl/charity/sp/select.jsp?corp=298

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 日本心臓財団HEART WEB NEWS
 発行:日本心臓財団
 http://www.jhf.or.jp/

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さい]
 response@jhf.or.jp

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