メディア・医療関係者向け
メールマガジン 第103号
HEART WEB NEWS for Media No.103
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【日本心臓財団 HEART WEB NEWS for Media 第103号】2014年3月5日発行(月刊)
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・現在、医療関係者とメディアには同じ情報をお送りしています。ご了承ください。
【目次】
TOPICS「第1回日本心臓財団拡張型心筋症治療開発助成対象者
~筒井裕之先生に聞く~」
短期海外研修助成募集開始
イベント情報
生活習慣病改善プログラムCD-R版 無料配布のお知らせ
雑誌「心臓」2月号巻頭特集「心血管の発生・分化・発達・成熟そして老化」
日本循環器病予防セミナー eラーニング受講のご案内
ドクターのつぶやき「アカホシゴマダラチョウと温暖化」
ご寄附のお願い
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【TOPICS】第1回日本心臓財団拡張型心筋症治療開発助成
~筒井裕之先生に聞く~
日本心臓財団では今年度より日本心臓財団拡張型心筋症治療開発助成を開始しました。本研究助成は、拡張型心筋症の福本穂香(ほのか)ちゃんが海外での心臓移植を行う(2007年当時は日本での小児への移植は認められていませんでした)ための募金による寄附金がもとになっています。
ほのかちゃんの渡航は実現しましたが、僧帽弁形成手術のみを受けて帰国し、現在は国内での移植を視野に入れた治療を行っています。そして、海外移植治療のために集まった募金の残金を、当財団を含む公益団体へと寄附されました。
財団は、こうした寄附者の意向を受け、ほのかちゃん基金を設立し、拡張型心筋症の患者さんが心臓移植を待つことなく治療できる最善の方法を開発・研究する研究者に助成することとしました。
第1回助成対象者に選ばれたのは、iPS細胞を用いた創薬研究を行う東京大学教授の小室一成先生と細胞免疫治療を試みる北海道大学の筒井裕之先生です。
前号では、小室先生の研究について紹介しました。
本号では、筒井先生の研究と患者さんへのメッセージを紹介します。
ナチュラルキラーT細胞活性化による
拡張型心筋症に対する新たな細胞治療の開発
筒井裕之(北海道大学大学院医学研究科循環器内科学教授)
○研究の内容について
リンパ球の1つであるナチュラルキラーT細胞(NKT細胞)は、ヒトの免疫機能を調節して炎症を抑制する役割を持っています。私たちの研究は、αガラクトシルセラミド(αGC)という薬剤を使って、NKT細胞を活性化することで拡張型心筋症を改善しようとするものです。
私たちはマウスによる基礎研究で、αGCに心不全改善効果があることを明らかにしていますが、αGCは作用時間が短く、そのまま生体に投与すると肝障害を起こすという問題があります。そこで、患者さんの血液から採取した単核球を培養して樹状細胞を作り、その樹状細胞にαGCを加えて静脈内に投与することで心不全の治療を行います。
この樹状細胞を使ったαGCによるNKT細胞活性化治療は、すでに千葉大学で癌に対する先進医療として行われています。この方法を心不全治療に応用しようとするものです。
現在、PMDA(医薬品医療機器相談機構)と相談しながら細胞治療としての品質および安全性・有効性を基礎研究で確認中であり、2016年までにはヒトでの臨床試験の実施を目指しています。
○患者さんへのメッセージ
拡張型心筋症は原因が不明で、現在の薬物治療、非薬物治療では十分ではありません。まず心臓移植の適応にならない重症患者さんを対象に、安全性・有効性を確認する臨床試験を行い、それらが確認されれば、さらに多くの患者さんで有効性を確認していきたいと思います。それができるようになれば、薬物療法、非薬物療法に次ぐ3番目の治療として、病気で苦しんでおられる患者さんにお届けできると思います。
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【短期海外研修助成募集開始】
不整脈および心不全等の植込み型デバイス療法(CRT-D植込み手技、リードエクストラクション手技見学)をイタリア研修で学ぶ第8回日本心臓財団Cardiac Rhythm Management短期海外研修助成の募集を開始しました。
http://www.jhf.or.jp/josei/crm/
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【イベント情報】
□■メディカルスタッフ向けセミナー
保健指導レベルアップセミナー ----事例演習シリーズ----
~ 今回のテーマ:事例から学ぶ特定保健指導のポイント ~
日 時:2014年3月8日(土) 13時~18時(受付12時半~)
会 場:公益財団法人結核予防会第一健康相談所 5階会議室
(東京都千代田区三崎町1-3-12 水道橋ビル)
詳 細:日本循環器管理研究協議会
http://www.jacd.info/
□■第78回日本循環器学会学術集会 市民公開講座
1)第12回禁煙推進・心肺蘇生法 合同市民公開講座
命の大切さを考える
-禁煙推進と心肺蘇生法(コールアンドプッシュ)-
日 時:2014年3月22日(土)13時~16時半
会 場:サンケイホール(東京都千代田区大手町1-7-2)
主 催:日本循環器学会 禁煙推進委員会/循環器救急医療委員会
*詳細は下記参照(3月7日締切り)
http://www2.convention.co.jp/jcs2014/japan/shimin/index.html
2)「心臓病とともに生きる」
日 時:2014年3月23日(日)14時50分~17時10分
会 場:東京国際フォーラム ホールC(東京都千代田区丸ノ内3-5-1)
主 催:第78回日本循環器学会学術集会、日本心臓財団、朝日新聞社
協 賛:第一三共株式会社
プログラム(予定)
講演1:狭心症・心筋梗塞と上手に付き合うには
山岸 正和(金沢大学循環器内科)
講演2:心不全と上手に付き合うには
筒井 裕之(北海道大学循環器内科)
講演3:生活習慣病と上手に付き合うには
久代登志男(日本大学総合健診センター)
対 談:いつもチャレンジ精神で~いきいきと毎日を過ごすために~
永井 良三(自治医科大学)
草野 仁(TVキャスター)
パネルディスカッション
司会:永井 良三(自治医科大学)・平田 恭信(東京逓信病院)
参加申込み方法:下記をご参照ください。(3月10日締切り)
http://www.jhf.or.jp/heart_news/2014/003478/
□■循環器病予防に取り組む若手研究者のための実践講座
第27回日本循環器病予防セミナー
テーマ:歴史から学び、これからの循環器病予防戦略を考える
(疫学・臨床研究プロトコール作成のための実践講座 初・中級コース)
会 期:2014年7月30日(水)~8月3日(日)
会 場:ラフォーレ琵琶湖
(〒524-0101 滋賀県守山市今浜町十軒家2876)
詳 細:日本循環器管理研究協議会
http://www.jacd.info/
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【生活習慣病改善プログラムCD-R版 無料配布のお知らせ】
生活習慣病改善プログラムは、当財団が2011年10月までインターネット上にて運営し、そのデータを個人情報は含まずに集計し、調査・解析を行い、その最終報告を昨年の雑誌「心臓」4月号に掲載いたしました。
このたび、プログラムをより使いやすく改修し、今までご利用いただいた先生方、および新規の医療従事者の方々に、CD-Rとして無料提供させていただきます。今回配布するプログラムは、個人が各パソコン上で使用するもので、更
新情報等のダウンロード時以外は、通常、インターネットには接続いたしません。なお、このような日本心臓財団の活動は皆様のご寄附で行われております。
ご支援のほどよろしくお願い申し上げます。
ぜひ、生活習慣病の効果的な治療の一助としてお役立てください。
*「動脈硬化性疾患予防ガイドライン2012年版」に合わせ、バージョンアップしました。
詳細は当財団ホームページより(医療従事者専用)
https://www.jhf.or.jp/lsmp/
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【雑誌「心臓」特集のお知らせ】
「心臓」2月号の特集は、「心血管の発生・分化・発達・成熟そして老化」(企画:佐地勉先生)です。
胎生3週頃に現れるヒト心臓の前駆細胞は、どのような過程で心臓形成へと発生・分化・発達していくのでしょうか。そして、胎生47日目あたりまでに完成した心血管系は、その後どのように成熟し、加齢現象へと進行していくのでしょうか。本号で心血管各臓器の年齢縦断的変化を特集しています。
次号3月号(3月15日発行)の特集は「非循環器薬の循環器への影響」です。
http://www.jhf.or.jp/shinzo/
☆「心臓」のバックナンバーがJ-Stage(科学技術振興機構が運営する総合電子ジャーナル掲載サイト)にて創刊号より閲覧できるようになりました(発行1年後を目安に掲載してまいります)。どうぞご利用ください。
J-Stage「心臓」
https://www.jstage.jst.go.jp/browse/shinzo/-char/ja/
☆現在は、日本循環器学会との共同発行になっており、おかげさまにて投稿数も増加しています。今後も内容をますます充実させていく所存です。この歴史ある学術誌を存続させていくために、ご購読をお願い申しあげます。
☆教室賛助会員・病院賛助会員も募集中です。詳細は本誌をご覧ください。
「心臓」の購読・広告に関するお問い合わせ
http://www.jhf.or.jp/shinzo/pur-ad.html
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【日本循環器病予防セミナー eラーニング受講のご案内】
2013年夏に開催された「第26回 日本循環器病予防セミナー」で行われた講義内容を、医療関係者向けに無料配信しております。
第一線でご活躍の先生方の講義を通して、予防ガイドラインの根拠となるエビデンスが、どのような研究計画を経て得られるのかが理解できるプログラムとなっております。研究者の方々はもちろん、循環器病予防や動脈硬化予防に関わる医師、保健師、看護師、管理栄養士、健康運動指導士の方々には、日頃の活動の基盤となる講義を、いつでも居ながらにして受講できる絶好の機会です。
配信は平成26年3月末までになっておりますので、お早目にご覧下さい。
第26回 日本循環器病予防セミナー
テーマ「ライフステージに応じた循環器病予防:エビデンスの構築と実践にむけて」
主催:日本循環器管理研究協議会
共催:日本心臓財団、動脈硬化予防(研究・行動)啓発センター
eラーニング受講登録ページ
http://www.doumyaku-c.jp/elearning/JACD/no26-seminar.html
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【ドクターのつぶやき】
-アカホシゴマダラチョウと温暖化-
4年前の8月の暑い日のことです。文京区の幹線道路の舗道を歩いていたときに一匹の蝶々が悠然と飛翔しているのを見つけました。幼虫がエノキを主食とするゴマダラチョウのようですが、よく見るとゴマダラチョウにはない赤い紋が後翅にあり、見たことのない蝶でした。帰宅してネットで調べてみるとどうもアカホシゴマダラチョウという本来は中国、朝鮮半島などに生息する蝶ですが、最近日本国内でもしばしばみられるようになったとも書かれていました。
さらに昨年の夏のとある日曜日のことです。やはり自宅のある文京区の町中を歩いていると同じ蝶を見かけました。
このアカホシゴマダラだけではなく本来日本にいないはずの生物が住み着いてしまうということはしばしばあります。一つには人為的な原因です。1970年代以降日本各地で局地的に発生が確認されているホソオチョウがその典型的な例で、アカホシゴマダラチョウも同様に昆虫愛好家が持ち込んだものと推定されています。これらの蝶はそれぞれ日本古来のジャコウアゲハチョウ、ゴマダラアゲハと食性が一致する(つまり幼虫が同じ植物を食べる)ため、日本本来の種の存続に影響を及ぼす可能性があります。またその生物を持ち込む意図がなく持ち込まれる場合もあります。1995年以降日本の港湾地域などで発見されるようになったセアカゴケグモという毒蜘蛛やその例です。
一方で国内にもともと住んでいる生物でもその勢力をどんどん伸ばしている者たちがいます。それらのほとんどは南方系の生物です。例えば蝉の一種であるクマゼミは本来関東地方にはいなかったはずですが、最近では関東地方でもざらにみられるようになってきました。またナガサキアゲハという蝶々はその名の通り長崎を含む九州以南に住んでいた蝶ですが、最近では本州でも見られるようになりました。ツマグロヒョウモンという蝶も南方系の蝶ですが都心部で普通にみられるようになりました。それ以外にクロコノマチョウ、ムラサキツバメも同様に北方に勢力を広げつつある蝶として知られています。気温の変化だけではなく、このような生物の分布の変遷を見ていると温暖化を実感します。
温暖化の原因はいまだに完全に明らかになっていないようですが、人類が作り出したと思われる温室効果が犯人である可能性が最も強いとされています。温暖化は気候変動などいろいろな形をとってわれわれの生活に影響を及ぼしつつありますが、昆虫の世界にも大きな影響を与えており、人間のもたらした変化がこれほど多岐にわたる変化を及ぼしているとすれば、それを本来の姿に戻すのは人類の義務であると考えるべきかもしれません。
(S.M)
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【ご寄附のお願い】
日本心臓財団は皆様の寄附により支えられております。
http://www.jhf.or.jp/kifu/
なお、日本財団の提供するシステム(CANPAN)を利用して、当財団で
もインターネットによる寄附(賛助会費含む)ができるようになりました。
カード決済になりますが、こちらのほうが便利な方はぜひご利用のうえ、ご
寄附をいただけますと幸いです。なおご寄附につきましてその金額は問いませ
ん。
また当財団への寄附は税制上の優遇措置が受けられます。なにとぞ宜しくお
願いいたします。
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日本心臓財団HEART WEB NEWS
発行:日本心臓財団
http://www.jhf.or.jp/
[ご意見・ご感想、配信先変更・配信中止等はこちらのアドレスにご連絡くだ
さい]
response@jhf.or.jp