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一般向けメールマガジン 第226号

HEART WEB NEWS No.226

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【日本心臓財団 HEART WEB NEWS 第226号】2024年5月31日発行(月刊)
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【目次】
 トピック:世界禁煙デー(5月31日)と禁煙の日(毎月22日)
 イベント情報:第60回日本循環器病予防学会学術集会市民公開講座
 ドクターのつぶやき:和泉徹先生のご健勝を祝う
 ご寄附のお願い

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【トピック】

 世界禁煙デー(5月31日)と禁煙の日(毎月22日)

 「世界禁煙デー」は、世界保健機関(WHO)が、「たばこを吸わないことが一般的な社会習慣になること」をめざし1989年に制定したものです。厚生労働省は1992年から、世界禁煙デーから始まる一週間を「禁煙週間」とし、たばこの健康影響等の普及啓発を強化する期間として取り組んでいます。
 厚労省が掲げる2024年のテーマは、「たばこの健康影響を知ろう!~たばことCOPD(慢性閉塞性肺疾患)の関係性~」。また、WHOの掲げる2024年のテーマは、「Protecting children from tobacco industry interference(たばこ産業の干渉から子どもたちを守ること)」です。
 
 日本心臓財団でも喫煙は心臓病のリスクになることから、世界禁煙デーを後援し、また日頃より健康寿命の延伸のために禁煙を強く推奨しています。
 たばこには血管に悪影響を及ぼす物質がたくさん含まれています。代表的なのが、ニコチン、一酸化炭素、活性酸素です。ニコチンは血管を収縮させます。一酸化炭素は酸素の250倍も血色素(ヘモグロビン)と結びつく力があるため、ヘモグロビンが酸素と結合できずに、酸素を運べなくなってしまいます。活性酸素は血管を拡げる一酸化窒素(NO)の働きを阻害し、血管の内膜を傷つけて動脈硬化のきっかけとなり、傷ついた内膜から悪玉コレステロールが血管の中に入り込むようになります。
 こうした有害物質は、主流煙(タバコを吸っている人が体内に吸い込む煙)より、副流煙(タバコの先から出る煙で、周りの人が吸ってしまう煙)のほうに多く含まれていることにも問題があります。副流煙による有害物質は、吸った人が吐き出した煙や、洋服、絨毯にくっついたものにも含まれています。タバコを吸うことは、自分にとって有害なだけでなく、周りの人にとっても有害なのです。

 日本心臓財団が支援している一般社団法人禁煙推進学術ネットワークでは、たばこを「吸わんを白鳥(スワン)にかけて、白鳥が並んで見える22日を「禁煙の日」としています。また、日本循環器学会では禁煙啓発キャラクター「すわん君」を中心に、禁煙を推進しています。
 https://www.j-circ-kinen.jp/

 年に一度の世界禁煙デーだけではなく、毎月、禁煙を考えるチャンスがあります。健康寿命の延伸のために、禁煙しましょう。

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【イベント情報】

■第60回日本循環器病予防学会学術集会市民公開講座(オンライン)
 テーマ:"しなやか"な血管と生きる

座長:大久保孝義 先生(帝京大学医学部衛生学公衆衛生学講座 主任教授)
演者:冨山 博史 先生(東京医科大学 客員教授)

配信期間: 2024年5月7日~2025年1月6日

視聴URL: https://www.ksi21.com/jscdp60/index12.html
*どなたでもご覧いただけます。

演者より:健康寿命の延伸には動脈硬化の予防が重要です。厚生労働省e-ヘルスネットでは、動脈硬化は「動脈の血管が硬くなって弾力性が失われた状態("しなやか"でない血管)で、内腔にプラークがついたり血栓が生じたりして血管が詰まりやすくなる」と記載されています。
この講座では血管が"しなやか"であることの重要性、そして"しなやかさ"を保つための工夫についてお話させていただきます。

主催:第60回日本循環器病予防学会学術集会
共催:公益財団法人日本心臓財団

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【ドクターのつぶやき】
 
 和泉徹先生のご健勝を祝う

 前回、食事療法でご高名な家森幸男先生が話題になったので、次は運動療法の和泉徹先生をとりあげてみたくなった。和泉徹先生は北里大学内科教授でいらした当時から歩くことが疾患の治療効果を強化することを提唱しておられ、新潟に移られてからもこれを課題として継続しておられる。

 身近な資料が数年前の日本心臓財団でのご講演に残っていた。平均年齢82才、100人の方にふくらはぎのストレッチ、スクワット屈伸、かかと上げ、片脚立ちバランス、などといった運動療法を行い、40%の方に効果があった、というお話をしてくださっていた。身体的フレイルが改善すると、精神的フレイルも同様に改善した、という、大変、大事な指摘もあった。

 なるほどと感心する関連する資料もいくつか、添えてあった。心臓は一分間に3リットルの血液を全身に送っている。しかし、さぼり屋で5回ないしは10回に1回は休んでいる、だから長持ちしている。走ったりするときにはしっかり活動し、働く。したがって、10ないし20リットルの血液を送り出すことができるのである、という。
 フレイルは歩けなくなることで顕在化する。歩けることが大事なのだ。私自身がこのような研究の対象年齢に近くなっているので、研究対象者に自分が丁度、重ね合わさっていて、納得することもまた、大変、切実になってくる。

 要するに、歩けること自体が大切なのである。したがって、骨・関節・筋疾患、とりわけ脊椎疾患には平素からの注意が肝要なのである。
 先日も、昔馴染みの同年輩の友人からの手紙に、歩くこと、書くこと、しゃべること、の三つが経験が教える老化防止の基本であるらしい、と書いてあった。

 和泉徹先生ご自身は近ごろ、どのようにお過ごしなのであろうか。気になって、心臓財団の職員に問い合わせてもらったら、早速に次のお返事をいただいた。「お陰様で元気にDOPPOを進めております。また佐渡ヶ島をコホートに "歩行にガイドされたWell-beingづくり" 慶応大学 宮田裕章教授とともに手掛けております。間もなく次々とレポートが出てきます。若者に支えられて活動をしています。」
 嬉しくなって、今回、ご紹介した。平素、ご高説を頂く諸先輩のご健勝ぶりはご高説を裏付けることにもなるので、私共の立場からすると、何よりも嬉しいことなのである。(T.S.)

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