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一般向けメールマガジン 第223号

HEART WEB NEWS No.223

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【日本心臓財団 HEART WEB NEWS 第223号】2024年3月1日発行(月刊)
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【目次】
 トピック:救急・救助の現況(令和5年版)
お知らせ
 ドクターのつぶやき:脚気心は昔話ではない
 ご寄附のお願い

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【トピック】

 救急・救助の現況(令和5年版)

 突然の心停止からの救命にはAEDによる迅速な電気ショックが不可欠です。日本で誰でもAEDを使うことができるようになったのが、2004年7月1日からですので、今年はちょうど20年めになります。今では多くの市民がAEDという言葉を知り、街中に多くのAEDを見かけるようになりました。
 
 総務省消防庁が発表した「救急・救助の現況」(令和5年版)によれば、令和4年の1年間に救急搬送された心停止患者数は142,728人で、そのうち心原性心停止患者(心臓が原因の心停止)は91,498人でした。さらに心原性心停止のうち一般市民が目撃した心原性心停止患者は28,834人で、そのうち17,068人(59.2%)に一般市民が心肺蘇生を実施しており、一般市民による心肺蘇生実施率は約6割となっています。
 しかしながら、一般市民がAEDを使って除細動(電気ショック)を行ったのは1,229人と、目撃した心原性心停止患者数28,834人のわずか4.3%に過ぎません。

 一方で、AEDにより除細動が行われた1,229人のうち、1か月後生存者数は618人(50.3%)、1か月後の社会復帰者数は526人(42.6%)と、半数の方の命が救われ、その8割の方は社会復帰されています。これは、心肺蘇生が行われなかった場合の1か月後の生存率6.6%、社会復帰率3.3%に比べ、AEDを使用した場合の救命率がかなり高いことを示しています。

 もっと多くのケースにAEDが使用され、もっと多くの命が救われる社会を目指して、AED20周年記念となる本年、関連団体が集まり、さまざまな啓発活動を実施していく予定です。

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【お知らせ】

 ★市民公開講座「循環器病後の豊かな生活を目指して
  ~脳卒中・心臓病後の維持期・生活期リハビリテーションと社会生活~」

2024年3月20日(水・祝)に市民公開講座「循環器病後の豊かな生活を目指して~脳卒中・心臓病後の維持期・生活期リハビリテーションと社会生活~」を開催いたします。
オンライン形式で参加費無料、どなたでもご視聴いただけます。
下記よりお申し込みください。
https://www.hp.heart.or.jp/topics/topics-15733/

日程:3月20日(水・祝)13:30~16:00
形式:ZoomにてLIVE配信
主催:厚生労働科学研究費補助金 循環器疾患・糖尿病等生活習慣病対策総合研究事業「循環器病の慢性期・維持期のリハビリテーションの有効性の検証のための研究」班(研究代表者:磯部 光章)、榊原記念財団、日本心臓財団
後援:回復期リハビリテーション病棟協会、心臓弁膜症ネットワーク、日本医師会、日本循環器学会、日本循環器協会、日本心臓リハビリテーション学会、日本心不全学会、日本脳卒中学会、日本脳卒中協会(五十音順) 

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【ドクターのつぶやき】
 
 脚気心は昔話ではない

 雑誌「心臓」56巻1号に脚気心(かっけしん:ビタミンB1欠乏症による心不全)の症例報告があった。今の時代にも脚気があると驚いた。
 脚気の歴史には先輩、山下政三先生が残された大冊がある。「脚気の歴史(ビタミン発見以前)、東大出版会、1983」、と「明治期における脚気の歴史、東大出版会、1988」である。
 前者は脚気の起源と歴史、とりわけ、その江戸時代が中心であり、後者では高木兼寛の先覚的な業績、伝染病説の破綻が紹介されている。脚気心は歴代の幕府将軍の寿命を縮めた。戦前の私たちの小学生時代には脚気は馴染みであった。身体検査では膝蓋腱反射が必ず調べられて、脚気の検査といっていた。

 今回、本誌に報告された症例は心室細動を生じながら、幸い、救命された脚気心例であった。52才の男性、邸宅に一人暮らしであったのが食のかたよりの原因らしい。
 末尾に最近、20年間に報告された27症例のまとめがあった。一例の死亡例がある。B1欠乏の原因はアルコール過飲が7例、偏食が11例となっていた。私も昔、このような受験生例を経験した。当時、ビタミン添加のなかった時代、市販の飲料ばかりを飲んでいたという恐ろしく偏食の人であった。
 食事のかたよりは不足とはいわない。かたよりというのは贅沢の一つのタイプなのであろう。恵まれた時代になって、塩分・カロリーの制限に苦労している人も少なくない。偏りにも注意せよ、ということである。難しいことではないはずである。時代であるといわず、留意したいと思う。(T.S.)

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