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一般向けメールマガジン 第222号

HEART WEB NEWS No.222

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【日本心臓財団 HEART WEB NEWS 第222号】2024年2月1日発行(月刊)
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【目次】
 トピック:健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023
お知らせ
 ドクターのつぶやき:Diversity & Inclusion
 ご寄附のお願い

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【新年のご挨拶】

 健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023

 2024年1月に、厚生労働省より、「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」が各自治体及び健康推進関連団体宛に出されました。
 2000年より日本国民の健康寿命の延伸を目指し、厚生省(現・厚生労働省)によって開始された「21世紀における国民健康づくり運動(通称:健康日本21)」は、2012年度までに第1次、2022年度までに第2次が行われ、2024年度より健康日本21(第3次)が開始されます。

 第2次の身体活動に関する最終評価では、「日常生活における歩数」、「運動習慣者の割合」のいずれも、横ばいから減少傾向でした。こうしたことも踏まえ、最新の科学的知見に基づき「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」が策定されました。
 今まで身体活動基準とされていた言葉を「ガイド」として、対象者別(成人、こども、高齢者)の身体活動・運動の推奨事項及び身体活動・運動に係る参考情報について、まとめられています。

 日常生活における歩行またはそれと同等以上の身体活動を、高齢者では1日40分以上(1日約6,000歩以上)、成人では1日60分以上(1日約8,000歩以上)を推奨しています。
 これは、現状(令和元年)の65歳以上の平均歩数が、男性5,396歩、女性4,656歩、成人(20~64歳)では男性7,864歩、女性6,685歩であることから、現状の1.1倍を目指した推奨値となっています。
 そのほか、有酸素運動、筋力トレーニングなども、個人差を踏まえ、強度や量を調整しながら、可能なものから取り組んで、今よりも少しでも多く身体を動かすことが健康寿命の延伸につながるとしています。
 ただし、疾患があり、医療機関にかかっている人は、運動内容については主治医とよく相談してください。

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【お知らせ】

★健康ハートウィーク2023
プログラムの一部はアーカイブでご覧になれます。
 https://www.kenko810.com/

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【ドクターのつぶやき】
 
 Diversity & Inclusion

 近年、企業の人材雇用や働き方に関して、ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)という言葉をよく耳にするようになった。これは2017年に経産省が企業の人材雇用に関して多様な人材を採用して競争力を高めようと鼓舞したことがきっかけになっている。ダイバーシティとは多様性のことであるが、性別、年齢、国籍などの違いを尊重し、組織に受け入れることを推奨しているのである。
 この企業としてのD&Iは、人材の確保、イノベーションの創出、社員のモチベーションの向上など企業の成長と社会の発展にとって重要な要素となると考えられている。そうだとすると、D&Iはよいことづくめのように見えるが、果たしてそうであろうか。社会という組織にとって、多様性は必ずしもプラスの側面ばかりでなく、リスクでもあることを忘れてはならない。

 個体の多様性はダーウィンの進化論に端を発していることを知っている人は少ない。生物の持つ特性は「形質」と呼ばれるが、子は親とは異なる形質をもって生まれてくる(個体差)ため、生物の多様性が生じる。継代される生物の形質の変化(自然淘汰のプロセス)は、小刻みで緩徐であるが、長い時間をかけて形質が選別されながら次世代に受け継がれていく。
 ダーウィンは原動力となる「生存闘争」という概念を提示しているが、彼は「風が吹くと桶屋がもうかる」式の「生物同士の相互作用」と考えた。このような多様な分岐進化をめぐって辿り着いたのが現存する生物である。人も例外でなく、すべての生き物にはその歴史が刻印されている。遺伝学も確立されておらず、ましてやDNAも発見されていなかった時代に現代に通じる進化と多様性の真髄を看破したダーウィンの慧眼は恐るべきものと言えよう。

 しかし、多様な生物種を一つの空間に閉じ込めると必ずしもプラス効果ばかりでなく、生存闘争が生まれる。ウクライナとロシア、イスラエルとパレスチナの生存闘争はD&Iの負の側面を露わにしているのではなかろうか。D&I は、単に多様な人材を集めるだけではなく、多様な人材を生かすための人材教育と制度設計が必要であることを忘れてはならない。(M.H.)

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