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一般向けメールマガジン 第196号

HEART WEB NEWS No.196

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【日本心臓財団 HEART WEB NEWS 第196号】2021年12月1日発行(月刊)
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【目次】
 トピック:オートショックAED
 ドクターのつぶやき:思い出のその後
 アジア太平洋循環器学会のご紹介
ご寄附のお願い

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【トピック】

 オートショックAED

 オートショックAEDという新たなAEDが承認され販売されています。これは、ショックボタンを押さずに自動的に電気ショックが行われるAEDで、従来、救助者が電気ショックボタンを押すことに躊躇したり、遅れたりすることによる処置の遅れをなくす利点がある一方、従来と違うことによる救助者の戸惑いや、救助者や周囲の人が感電しないよう傷病者に誰も体が触れていないかどうかの確認を適切にしっかりと行う必要があります。

 オートショックAEDには、従来のAEDとは違うことを示すオートショックと記載されたシールが貼られていますので、使用する際にはご確認ください。

 従来と違うとはいえ、ショックボタンを人が押すか機械が自動的に押すかという違いだけで、胸骨圧迫やパッドの貼り方、心電図解析時に傷病者の身体から離れることなど、使用過程に違いはありません。傷病者から離れるように音声メッセージが流れ、カウントダウンまたはブザーの後に自動的に電気ショックが行われます

 基本的には心電図解析の時点で傷病者の身体には誰も触れていないまま充電が行われ、カウントダウンまたはブザーの後に自動的に電気ショックが実行されますが、そのときに救助者同士でそのまま誰も身体に触れていないことをしっかり確認しましょう。

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【ドクターのつぶやき】
 
 思い出のその後

 「東より光はきたる、光を載せて、東亜の土に使いすわれら、我らが使命、見よ 北斗の星の 著きがごとく ――」満鉄社歌である。満鉄マンが愛唱し、子供たちも歌った。
 私は満州で生まれ、この愛唱歌の中で育った。戦後、引き揚げてきて、思い掛けなく、医者になり、故郷の地との交流に関心をもつようになった。そして、日中医学交流の名で、声がかかると、積極的に応じてきた。その一つに、日中医学協会の笹川記念奨学生制度があった。毎年、決められた数の研究者を日本に招聘し、留学させる制度だった。在日研究成果の報告会と併せて、双方の国の研究者による学術交流会議が定期的に行われていた。

 いつのことだったか、そのような交換会議が西湖のほとりで行われたことがあった。
 夜、席指定の交歓会が行われたとき、同じ席に高齢の医学者夫妻が隣り合わせになった。少々、アルコールが入って、舌が滑らかになってきた頃、白髪のこの先生は、私にいった。「日本人にはよい印象をもっていないのです。」「日本人は私ども、外国の土地に入ってきて、ここを戦場としました。」、私にはいう言葉がみつからなかった。

 何年か経ってのその後、中国訪問の帰路、空港の売店で春秋戦国時代の中国地図を求めたとき、元気のよい店の若い女性が当時の歴史をとうとうと弁じ、説明してくれた。圧倒されるようなひたすらな自信のなかで、対日戦争へのこだわりはみられなかった。
 満鉄社歌は今もなお、私の背骨となっているのであるが、時代は変わっていくようだ、と私は思った。(T.S.)

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【アジア太平洋循環器学会のご紹介】

 循環器領域の学会としては米国のAmerican Heart Association(AHA)と欧州のEuropean Society of Cardiology(ESC)が有名です。私の若い時にはAHAに演題が採択されることは難しかったので発表できることは大変な名誉でした。最近では11月に開催されるAHAよりも8月に開催されるESCに参加する日本人が増え、最近では日本から投稿される演題数が世界で最も多いようです。

 こちらはまだあまり知られていませんが、アジアにはアジア太平洋循環器学会(Asian Pacific Society of Cardiology, APSC)という学会があります。この学会はアジアとオセアニアの国々からなる学会であり、1国1代表制をとっており、国を代表した21の団体が加盟して活動しています。
 活動の中心は、中国を代表する台湾、シンガポール、マレーシア、ドバイ、韓国、フィリピン、インドネシア、モンゴル、インド、バングラディッシュなどの循環器学会であり、日本では日本循環器学会が代表として入っています。
 年々活動が活発になっており、fellowship制度を設けてアジアの若手の海外でのトレーニングを支援したり、webinarによる若手の教育などを行っています。

 今年の10月に私はこの学会の理事長になったのですが、今後は従来の活動以外にアジアにおける臨床研究やアジアのガイドライン作成、治療機器開発なども行っていきたいと考えています。またアジア諸国の若い人に日本への留学を奨励し、日本の循環器医療・研究の良いところを学んでもらい帰国後母国で活躍してほしいとも思っています。

 今まで欧米から多くのことを教えてもらったお陰で日本は世界的にも医療先進国となりましたが、今後は日本がアジア諸国の循環器医療や研究のレベル向上に少しでも貢献したいと思います。また優秀なアジアの若い人が日本に来て活動することは少子高齢化の進む日本にとっても良いことだと考えています。
 近い将来必ずやアジアの時代が来ることでしょう。APSCを一つの契機としてアジアの諸国と共に日本が大きく成長することを期待しています。(IK)

APSCのHP; https://www.apscardio.org

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