一般向けメールマガジン 第175号
HEART WEB NEWS No.175
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【日本心臓財団 HEART WEB NEWS 第175号】2020年3月2日発行(月刊)
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【目次】
トピック:心臓リハビリテーション
お知らせ:心房細動週間・まごまごするより、まず検診。
イベント情報
ドクターのつぶやき:老人ボケ
ご寄附のお願い
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【トピック】
心臓リハビリテーション
昨年8月開催のメディア向けセミナー「ハートトーク2019」で講演された代田浩之先生(順天堂大学教授)のお話を日本心臓財団ホームページに掲載いたしました。
ここではその一部をご紹介させていただきます。
心筋梗塞などの急性冠症候群の急性期治療の後、薬物療法や食事療法、禁煙、栄養指導、そして運動療法が行われます。
運動負荷試験を行い、その患者さんに合った運動プログラムのもとに運動療法を行うことを狭い意味での心臓リハビリテーションと呼びますが、現在は運動療法だけでなく栄養指導や薬物療法など多くの管理を包括的に行うことを包括的心臓リハビリテーションと呼んでいます。
心臓リハビリテーションは、心血管疾患を有する患者さんに対して、医学的評価、運動処方、危険因子の改善、教育、およびカウンセリングからなる長期にわたる包括的で個別的なプログラムで行われる、医師、看護師、理学療法士、管理栄養士、薬剤師などさまざまな職種によるチーム医療です。
そして現在、日本では、心筋梗塞後の患者さんもどんどん高齢化しています。そのようななかで一番問題になるのが、フレイルです。
フレイルとは、加齢に伴い様々な機能変化や予備能力の低下によって健康障害に対する脆弱性が増加した状態で、筋肉量の低下(サルコペニア)や生活機能障害、免疫や、神経内分泌などの異常が複合的に関与しており、身体だけでなく精神的、社会的なフレイル状態があるといわれています。
このフレイルが患者さんの予後を悪くしていることから、現在の心臓リハビリテーションの概念には、運動療法、カウンセリング、患者教育による運動耐容能能の増加と生活の質の向上による再発予防・長期予後改善に、フレイルの予防や心不全の疾病管理が加わっています。
しかしながら、わが国では心臓リハビリテーションの普及がまだまだ進んでおりません。外来での心臓リハビリテーションを行う施設が少ないことも問題ですが、そもそも心臓リハビリテーションという言葉を知っている患者さんが少ないことも問題です。
ですから、この心臓リハビリテーションを行う施設を増やし、その質を良くするとともに、社会においてこの認知を増やすことがきわめて重要な課題です。
トピックス「ハート・トーク2019 心臓病の二次予防と心臓リハビリテーション」
https://www.jhf.or.jp/topics/2020/007990/
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【お知らせ】
○心房細動週間
3月9日は「脈の日」。3月9日から15日は心房細動週間です。脈が不規則になる心房細動は、ご自分の脈をチェックして不規則かなと思ったら、心電図検査を受けてみましょう。
心房細動週間ホームページ
http://www.shinbousaidou-week.org/
○まごまごするより、まず検診。(ACジャパン&日本心臓財団)
今月よりテレビ、ラジオ、新聞広告を通じて、日本心臓財団の新しいACジャパンの支援キャンペーンが放送されています。
岸部一徳さん演じるおじいさんが孫と遊んでいるうちに・・・
高齢者の心不全を予防するため、とくに治療効果の高い弁膜症の早期発見と適切なタイミングでの治療を啓発しています。
ACジャパンのキャンペーンの動画ページ(リンク)
https://www.ad-c.or.jp/campaign/support/support_03.html
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【イベント情報】
★第84回日本循環器学会学術集会(京都)にて開催される予定だった市民向けのイベント、公開講座は、新型コロナウイルス感染拡大による学術集会延期のため、すべて延期または中止となりました(延期の日程については詳細未定です)
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【ドクターのつぶやき】
老人ボケ
図書館に借りていた本の返却にいった。
カウンターの女性が期限の過ぎている本がもう一冊あるはずだ、という。本のタイトルを聞いて、それはもう大分、前に返却した筈だ、といった。丁度、話題性のある題名の本だったので、早めに返却したという記憶があったのだった。何日ごろだったか、どちらの図書館で返却したのか、などと問われて、答えられなかった。係りの人は淡々と、本の名を記した紙を差し出して、こちらでも調べてみますが、もし、お宅にあったら持参してください、といった。
半分、腹を立てながら、予定していたショッピングにいった。そのとき、そうだ、ついでがあった別の図書館に持参したのだった、と思い出した。そちらの図書館に照会してほしい、といわなければならないと思い、すぐに引き返そうと思った。しかし、ともかく、一旦は帰宅してから、と思いなおして家に戻った。
家に入って、書斎の机の上をみて、驚いた。その本は返却されていなくて、そこにあったのである。
慌てて、図書館に電話した。私の早合点だった、申し訳なかった、といったのだが、電話の受け手はこれもまた、淡々としていた。
飛ぶような思いで、急いで、本を持参した。相談口の女性が受け取ってくれたが、ただ、一言、ハイといっただけだった。説明して詫びたかったのだが、こういうボケた年寄りは珍しくないのかも知れなかった。なんだか、がっかりしてしまった。
こういうこともあるという反省の意味で、話題にもならないようなことをここに記してみた。つまらないとはいいながら、ボケを気にする私には大変、大事な、深刻な問題だったのである。
ついでながら、この本は「漱石の『猫』とニーチェ」といった。極めつきに面白い本だった。ニーチェの本に残された漱石の書き込みが生かされたものだという。図書への書き込みは私のいたく厭うところなのだが、こういう利用がされるものなのである。これにもまた、教えられてしまった。( T.S.)
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