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一般向けメールマガジン 第174号

HEART WEB NEWS No.174

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【日本心臓財団 HEART WEB NEWS 第174号】2020年2月3日発行(月刊)
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【目次】
 トピック:救急・救助の現況
 お知らせ:まごまごするより、まず検診。
 イベント情報
 ドクターのつぶやき:ソーシャル・キャピタル
 ご寄附のお願い

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 救急・救助の現況

 昨年末(2019年12月26日)、総務省消防庁より「令和元年版 救急・救助の現況」が発表されました。
 一般市民が目撃した心原性心停止25,756名のうち、約6割の14,965名の方々が一般市民による心肺蘇生(バイスタンダーCPR)を受けており、一般市民が一次救命に貢献する割合が徐々に向上しています。

 一方で、そのうち一般市民がAEDを使用して除細動を行ったのは、わずか1254名(約5%)にとどまっており、近年、AEDの設置台数が増加しているにもかかわらず、この数が増えておりません。

 一般市民が目撃した心原性心停止では、一般市民が心肺蘇生もAED使用も行わない場合、救命率(社会復帰率)はわずか4.5%です。
 しかし、一般市民が心肺蘇生とAEDによる除細動も行った場合、救命率(社会復帰率)はなんと48.2%になります。すなわち、その場にいる人が心肺蘇生とAEDを使用することによって、救命率が10倍以上になるのです。

 日本心臓財団、日本AED財団は、一般市民による胸骨圧迫とAEDを使った救命講習をもっともっと普及させて、より多くの人を心臓突然死から救いたいと願っております。
 みなさまもぜひ機会があれば、救命講習にご参加ください。

 日本心臓財団ホームページ「救急・救助の現況」
 https://www.jhf.or.jp/pro/info/kyukyu.html

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【お知らせ】

 まごまごするより、まず検診。(ACジャパン&日本心臓財団)

 今月よりテレビ、ラジオ、新聞広告を通じて、日本心臓財団の新しいACジャパンの支援キャンペーンが放送されています。
 岸部一徳さん演じるおじいさんが孫と遊んでいるうちに・・・
 高齢者の心不全を予防するため、とくに治療効果の高い弁膜症の早期発見と適切なタイミングでの治療を啓発しています。

 ACジャパンのキャンペーンの動画ページ(リンク)
 https://www.ad-c.or.jp/campaign/support/support_03.html

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【イベント情報】

 □■第84回日本循環器学会学術集会
   市民公開イベント
   ~減らせ突然死~ 心筋梗塞の予防とAEDを用いた救命処置を学ぼう!

 日 時:2020年3月13日(金)11:00~19:00
 会 場:ゼスト御池河原町広場(京都市)
 主 催:第84回日本循環器学会学術集会(会長 木村 剛 京都大学教授)
 共 催:公益財団法人日本AED財団、公益財団法人日本心臓財団
 後 援:京都市、NPO法人大阪ライフサポート協会(PUSHプロジェクト)、
    公益財団法人JR西日本あんしん社会財団
 協 力:株式会社レールダルメディカルジャパン、NISSHA株式会社

 イベント内容(事前申し込み不要)

 ●みんなでPUSH~胸骨圧迫とAEDを学ぼう~
  ・AEDを触ってみよう、学んでみようコーナー
  ・短時間で胸骨圧迫とAEDを学ぶPUSHコースの体験コーナー(20分程度)
  ・自分の胸骨圧迫の可視化してみようコーナー
  ・子供向け救急隊員体験コーナー

 ●心筋梗塞で命を落とさないために~心筋梗塞の前兆を知ろう~
  ・心筋梗塞の前兆について説明する動画コーナー
  ・心筋梗塞の予防に関わるトークショー

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【ドクターのつぶやき】
 
 ソーシャル・キャピタル

 ソーシャル・キャピタル(Social Capital)という言葉がある。日本語では「社会関係資本」と訳されるが、人々の間の協調的な行動を占める「信頼」、「互酬性の規範」、「ネットワーク(絆)」をソーシャル・キャピタルと呼んでいる。ここで、互酬性の規範とは「お互い様」「持ちつ持たれつ」と言い換えればわかりやすい。つまり、人と人との繋がり(ネットワーク)が資本としての価値を持つという考え方である。
 典型的なものでは、同窓会、地域の自治組合、同業者組合(連盟)、ロータリーやライオンズ・クラブなどがあるが、もっと大きなネットワークとしてフェイスブックなども、この範疇に入るし、軍事同盟としてのNATO(北大西洋条約機構)などもソーシャル・キャピタルに分類される。

 なぜ、突拍子もなくこんな話をするかといえば、IoT、AIなどのデジタル革命(第四次産業革命)により、旧来の資本主義が危機に瀕しているからである。経済の理論は筆者の最も苦手とするところであるが、資本主義が崩壊するとあれば、門外漢としても放っておくわけにはいかないのである。
 では、資本主義とはどう定義されるのか?
 一言で言えば、モノやサービスの生産手段(資本)を持つ資本家が労働者を雇用して商品を作り、稼いだ利益を投資に回して成長につなげる経済システムのことである。資本の蓄積、利潤追求、労働市場、株式会社制度がその基本要素である。
 IoTやAIが発達すれば、人間の労働力がなくても商品やサービスが生み出され、人々の労働力としての価値は喪失しかねないため、資本主義が危機に瀕しているといわれるわけである。

 では、ソーシャル・キャピタルが資本の一形態として資本主義を支えることが出来るのだろうか?
 ソーシャル・キャピタルは人と人とのつながりが基本であるため超高齢社会を支えるのに最も有効と考えられる。コミュニティーでの見守り、宅配サービス、登下校の児童の誘導などは、典型的な社会関係資本であり、経済価値を生むことは間違いない。災害時の避難にはこれ以外の方法がないほど、その価値は大きい。SNSで繋がる新しいネットワークは新しい連携を生み出す。
 このように人の繋がりがソーシャル・ネットワークとして大きな力を発揮する世の中の到来が迫っているように思われる。日本心臓財団の活動もソーシャル・キャピタルの典型といえるのではないだろうか。(M.H.)

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