一般向けメールマガジン 第172号
HEART WEB NEWS No.172
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【日本心臓財団 HEART WEB NEWS 第172号】2019年12月2日発行(月刊)
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【目次】
トピックス:脳卒中・循環器病対策基本法の骨子
お知らせ:まごまごするより、まず検診。
イベント情報
ドクターのつぶやき:ラグビーワールドカップ2019観戦で感じたこと:
医療・医学研究分野のレベルアップにも外国人の活用が必須ではないか?
ご寄附のお願い
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【トピックス】
脳卒中・循環器病対策基本法の骨子
昨年12月に成立した「健康寿命の延伸等を図るための脳卒中、心臓病その他の循環器病に係る対策に関する基本法(脳卒中・循環器病対策基本法)」が、この12月1日より施行されます。
ここでは、前号に引き続き、本年8月8日に開催されたメディアセミナー『ハート・トーク2019』(主催:公益財団法人日本心臓財団、アステラス・アムジェン・バイオファーマ株式会社)より、磯部光章先生(公益財団法人日本心臓血圧研究振興会附属榊原記念病院院長)のご講演の中から、脳卒中・循環器病対策基本法の骨子と今後の方針について、ご紹介します。
「脳卒中・循環器病対策基本法」の誕生によって「循環器病の予防により国民の健康寿命を延伸し、医療介護の負担を軽減するために循環器病対策を総合的に克つ計画的に推進する」ことが期待されます。
《脳卒中・循環器病対策基本法の骨子》
・疾患啓発と禁煙・受動喫煙防止
・救急搬送・受け入れ体制の整備、救急隊員の研修
・医療機関の整備
・患者の生活の質の向上
・保健・医療・福祉サービスに関する消防機関・医療機関の連携協力体制の整備
・保健・医療・福祉従事者の育成・資質の向上
・情報収集・提供体制の整備(患者疾患登録など)
・相談支援の推進
・研究の推進
そして、この法律のもとで心血管病医療に望む点として、以下の6点が挙げられます。
・心臓病・脳卒中予防のため大切さを国民に訴える
・急性心筋梗塞・大動脈疾患に対する治療体制が整備される
・再発・再入院を減らすとともに退院後のケアを手厚くする
・医療の成績をきちんと評価する
・高齢者にかかる医療費を減らす
・研究を進めて新薬が開発しやすい環境をつくる
これらの方針に沿って、今後、循環器病対策推進基本計画が厚労省と各都道府県で策定され、推進することが決まっています。
磯部先生のご講演内容は、こちらに掲載されています。
https://www.jhf.or.jp/topics/2019/007970/
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【お知らせ】
まごまごするより、まず検診。(ACジャパン&日本心臓財団)
今月よりテレビ、ラジオ、新聞広告を通じて、日本心臓財団の新しいACジ
ャパンの支援キャンペーンが放送されています。
岸部一徳さん演じるおじいさんが孫と遊んでいるうちに・・・
高齢者の心不全を予防するため、とくに治療効果の高い弁膜症の早期発見と
適切なタイミングでの治療を啓発しています。
ACジャパンのキャンペーンの動画ページ(リンク)
https://www.ad-c.or.jp/campaign/support/support_03.html
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【ドクターのつぶやき】
ラグビーワールドカップ2019観戦で感じたこと:医療・医学研究分野のレベルアップにも外国人の活用が必須ではないか?
ラグビーワールドカップ2019日本大会が2019年9月20日から11月2日まで国内各地で行われ、わが国は目標のベスト8にまで進出し、大変な盛り上がりであった。私も何度かテレビで観戦した。
テレビをつけると、監督がアップに写し出され、次に選手が写し出された。普段ラグビーについて興味のない私はテレビの画面に外国人が映っており、日本と戦っている外国の相手チームの監督なのかと錯覚した。戦っている両チームのどちらが日本チームなのかしばらく分からなかった。その内、着ているジャージの色から区別できるようになった。これが日本チームなのかと不思議に思ったのは私だけではないであろう。
それもそのはず、選手の約半数(フォワード18人中10人、バックス13人中5人)はいわゆる東北アジア系の日本人のような顔つき・姿・形をしておらず、監督のジェイミー・ジョセフヘッドコーチも、主将のリーチマイケルも外国人であり、バックスで大活躍した松島幸太郎は母親が日本人のハーフであった。誰がみても、今回の日本チームの快進撃の最大の理由、つまり体格の優れた強豪外国チームと対等に戦えた要因は日本選手の技術の向上・努力、新たな作戦の工夫、チームワークの成果も重要であろうが、それら以上に体力・身体能力の勝った外国人やハーフを実力主義で約半数も日本チームの選手に導入したことが一番であろう。そうしなければ国際的に通用するチームは造れないということである。
このようなことはラクビ―のみならず、テニスの大坂なおみやバスケットボールの八村塁、陸上のサニーブラウン等も同様である。
そこで、問題は、それに対し日本人一般が違和感を感ずることなく、わが日本チームの代表として、温かく迎え、応援できたと言うことで、日本も変わったものだという感慨を持った。
さて、スポーツ以外の他の政治・経済・文化等の領域ではどうであろうか?
私の身近な医師・看護師・介護士・大学の教官・研究者でも外国人の助けを借りずにやってゆけるのであろうか?
日本は令和において本格的な超高齢化・超人口減少社会を迎える。後期高齢者である私の生まれた75年前の出生数は200万-270万人もあったが、20年前には120万-130万人に減少、昨年の出生数は92万人に激減した。少子化はさらに急激に進行し、これから10年後は70万-80万人、20年後は50万-60万人という超少子化となると予測されている。
これは人口数という量的側面から見た話であるが、質的にも、わが国の医療や医学研究のレベルを国際水準に保つためにはラグビー等のスポーツと同様に外国の優秀な人材の活用が必須なのではないかと思うが、いかがであろうか? (H.F)
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