一般向けメールマガジン 第170号
HEART WEB NEWS No.170
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【日本心臓財団 HEART WEB NEWS 第170号】2019年10月1日発行(月刊)
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【目次】
トピックス:World Restart a Heart Day(世界ハート・リスタートの日)
お知らせ:まごまごするより、まず検診。
イベント情報
ドクターのつぶやき:老衰死と早合点すると見逃しがある
ご寄附のお願い
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【トピックス】
World Restart a Heart Day(世界ハート・リスタートの日)
2018年、国際蘇生連絡委員会(ILCOR)はWorld Restart a Heart (WRAH) を提唱し、「止まった心臓を心肺蘇生で再起動させる」日として、世界中で同一日(10月16日)に心肺蘇生トレーニングを行うことを勧告しました。
日本循環器学会等、関連学会や団体で構成される日本蘇生協議会(JRC)でも、市民による心肺蘇生実施率の向上をさらに推進するため、この勧告に賛同し、広く告知しています。
日本では、8月10日(健康ハートの日)、9月9日(救急の日)に続き、また10月も心臓について考える重要な一日となりそうです。
なお、10月2~4日は、東京国際フォーラムで日本救急医学会が開催され、一般市民への心肺蘇生講習が無料で行われております。
この機会に、ぜひご体験ください。
日本蘇生協議会「動画で学ぼう!心肺蘇生法とAED使用法!」
https://www.youtube.com/channel/UCAyJYI-Q2rdOK4Sl54IyN2A
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【お知らせ】
まごまごするより、まず検診。(ACジャパン&日本心臓財団)
今月よりテレビ、ラジオ、新聞広告を通じて、日本心臓財団の新しいACジャパンの支援キャンペーンが放送されています。
岸部一徳さん演じるおじいさんが孫と遊んでいるうちに・・・
高齢者の心不全を予防するため、とくに治療効果の高い弁膜症の早期発見と適切なタイミングでの治療を啓発しています。
ACジャパンのキャンペーンの動画ページ(リンク)
https://www.ad-c.or.jp/campaign/support/support_03.html
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【イベント情報】
□■第47回日本救急医学会総会・学術集会
みんなでPUSH!AEDと胸骨圧迫を学ぼう!
●トークショー:みんなで救おう!AEDと心臓突然死
日 時:2019年10月4日 18:00-19:00(受付は30分前)
場 所:第7会場(東京国際フォーラム Dブロック5F ホールD5)
定 員:200人
参加費:無料
応募フォーム:https://forms.gle/NPhy34cZoaotWape7
※席に余裕がありましたら当日も受け付けます。
出 演:蝶野正洋(元プロレスラー / 日本AED財団大使)
武田 聡(慈恵医科大学救急医学講座教授 / 日本AED財団理事・事務局長)
●常設ブース
日 時:2019年10月2日(水)、3日(木)、4日(金)連日 11:00-17:00
場 所:東京国際フォーラム地上広場D
(雨天の場合は地下1Fのロビーギャラリー)
定 員:なし
参加費:無料
常設ブース
1:PUSHコース体験と胸骨圧迫レース
2:心止村湯けむり事件簿体験
3:AEDを探せ!AED N@VI登録体験
4:本物のAEDを触ってみよう!AED体験コーナー
□■Take ABI & Echo 2019
【市民公開講座】日本心・血管病予防会10周年記念講演会
ここまで進んだ血管病治療
日 時:2019年10月12日(土) 14:00~16:00
会 場:京王プラザホテル南館4階「扇」の間
座 長:重松 宏(都庁前血管外科・循環器内科院長)
講 演
下肢閉塞性動脈硬化症の血管内治療
重松 邦広(国際医療福祉大学三田病院血管外科教授)
閉塞性動脈疾患に対する遺伝子治療・薬物治療
宮田 哲郎(山王メディカルセンター血管病センター長・教授)
大動脈瘤に対する血管内治療
小櫃由樹生(国際医療福祉大学三田病院血管外科教授)
下肢静脈瘤に対するレーザ治療
井上 芳徳(てとあしの血管クリニック院長)
主 催:日本心・血管予防学会
共 催:日本脈管学会、日本心臓財団
詳 細 http://shinkekkan.com/abiecho2019/
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【ドクターのつぶやき】
老衰死と早合点すると見逃しがある
高齢となり、衰弱して弱ってきた状態をフレイル状態という。この状態にあるとき、ふっと突然に、寿命を終ることがある。散歩からかえって一寸、休んでいたとき、朝が遅いのでみにいったとき、トイレの便座に坐ったまま、などの形で発見されるのである。かつてはこれを老衰死といった。しかし、一方、死因は老衰以外に求められるべきであるといわれて、死因を究明するための努力が要望されてきた。
肥満は生活習慣病といわれるが、やせもまた、フレイル状態として警戒される。やせ、動作緩慢、筋力低下、疲れやすい、活動性低下、の5つのうち、3つ以上該当するのがフレイルである。高齢者の場合は、この状態は老衰とよばれる。
ある日の病院での臨床病理カンファレンス(CPC)で拝聴したケースを紹介する。
剖検された症例は91歳、車椅子生活の女性だった。27キロと極めて痩せている。腰痛があって、歩けなかったのだが、日常的にはお元気だったらしい。急変し、救急搬送されて入院、数日の経過で亡くなられた。
高度の大動脈弁狭窄があり、心臓は大きく、硬く、心尖部に線維化と血栓、左心耳にも大きな血栓があった。死因は肺塞栓だった。大腿静脈の血栓が肺に飛んだのだった。肺動脈には大きな塞栓があり、崩れて出血していた。歩けなかったのは骨粗鬆性の脊椎圧迫骨折のためのようであった。大動脈弁狭窄による症状はなかった。骨折のために歩けなかったことが静脈血栓、さらに肺塞栓へと繋がったのだった。外見からはフレイル状態であり、老衰死と判断されたケースだったのかも知れないが、実は立派な病気に耐えてこられていたのである。
死因は老衰以外に求められるべきであるといわれる。たしかにそうなのである。しかし、問題はそれらしいものが発見されたとき、このような高齢者にあっては、どのように対処すればよいか、ということであろう。
CPCではいつも驚かされる。(T.S)
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