一般向けメールマガジン 第164号
HEART WEB NEWS No.164
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【日本心臓財団 HEART WEB NEWS 第164号】2019年4月16日発行(月刊)
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【目次】
お知らせ
トピックス:横浜宣言「心臓を守って健康長寿!」
お知らせ:心臓の「叫び」に気づいてください。
イベント情報
ドクターのつぶやき:新しい季節を迎えて
ご寄附のお願い
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【トピックス】
横浜宣言「心臓を守って健康長寿!」
2019年3月29日から31日までパシフィコ横浜にて第83回日本循環器学会学術集会が開催され、そこで「心臓を守って健康長寿!」と題した横浜宣言が行われました。
横浜宣言
「心臓を守って健康長寿!」
超高齢社会を迎えているわが国では心臓病の患者さんが急増しています。心筋梗塞や弁膜症、不整脈などの心臓病は、がんと並ぶ国民病です。心臓病は、健康寿命短縮の大きな原因であり、患者さんだけでなくご家族にとっても大きな負担となります。あらゆる心臓病は進行すると心不全になり命を縮めますので、心不全にならないように予防することが大切です。減塩、運動、禁煙といった生活習慣の改善は心不全予防の第一歩です。高血圧、糖尿病、脂質異常症といった生活習慣病に対する薬物治療は心臓病の発症を未然に防ぎます。ひとたび心臓病をわずらっても、適切な治療によって心不全の発症を防ぐことが可能です。是非とも多くの国民の皆様が心臓を守ることによって、健康長寿を達成していただきたいと思います。昨年12月、国会において「脳卒中・循環器病対策基本法」が成立しました。今年は心臓病の医療が大きく変わる"循環器医療新時代の幕開けの年"です。日本循環器学会は、あなたとあなたの大切な方の心臓を守るため、これからも心臓病と闘い続けます。
2019年3月 日本循環器学会
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【お知らせ】
心臓の「叫び」に気づいてください。(ACジャパン&日本心臓財団)
この7月から1年間、テレビ、ラジオ、新聞広告を通じて、日本心臓財団の新しいACジャパンの支援キャンペーンが放送されます。
今回も、ユニークな内容で、高齢者の心不全を予防するため、とくに治療効果の高い弁膜症の早期発見と適切なタイミングでの治療を啓発します。
ACジャパンのキャンペーンの動画ページ(リンク)
https://www.ad-c.or.jp/campaign/support/support_03.html
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【イベント情報】
□■CHDセミナー「子どもの心臓手術について」
日 時:2019年5月19日(日)10時〜12時
場 所:榊原記念病院 榊原ホール
対 象:先天性心疾患のお子様を持つご家族
定 員:100名
参加費:無料
事前申込制:詳細は下記をご参照ください
http://www.hp.heart.or.jp/topics/topics-1657/
□■世界禁煙デー記念イベント
日 時:2019年5月31日(金)13時30分開始予定
場 所:日本医師会館 3階小講堂
プログラム:(予定、詳細未定)
シンポジウム「民間によるたばこゼロ社会の実現を目指して」
参加費:無料
*後日、たばこと健康問題NGO協議会ホームページにておしらせいたします。
http://www.jatahq.org/tobacco_ngo/tobacco-ngo.htm
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【ドクターのつぶやき】
新しい季節を迎えて
桜の開花が各地から伝えられる季節になりました。
筆者の職場でも4月には新卒研修医に加えて新規採用された看護師、薬剤師、臨床検査技師などの医療専門職が配属されてきます。かつては簡単だった新人オリエンテーションも、医療安全、医療倫理、多職種とのチーム診療などを含めて詳細な説明が行われます。
なかでも医療安全については毎日のように医療事故が報道されていることもあり、全国で生じた重大な事故の成因や再発防止対策も紹介されます。
一方でこれらの重大事故と同じく、教えられるのが、「いつ、どこでも、誰にでも起きうる」一見軽微な人的ミス(ヒューマンエラー)への対応です。そのため、多くの医療施設では重大な医療事故には至らなくても、場合によっては事故に直結したかもしれない出来事を「ヒヤリ・ハット」案件として受け付けるようにしてきています。
さて、この「ヒヤリ・ハット」という耳慣れないことばですが、その考え方は米国の損害保険会社に勤務していたハーバート・ウィリアム・ハインリッヒの説に遡ります。
彼は1929年に労働災害における経験則として、1つの重大事故の背後には29の軽微な事故があり、さらに背後には300の異常が存在すると論文を出しました。これは現在では「ハインリッヒの法則」とよばれ、勤務中の人的災害に対処する考え方のひとつとなっています。
ハインリッヒの法則から私ども医療現場が学ぶべきこととしては、一つの死亡事故のような大事故の陰には29の中程度の事故、300のヒヤリ・ハットなどの軽微な事象が存在するという単なる確率論だけでなく、軽くても場合によっては事故につながりうるヒヤリ・ハットはインシデントレポートとして報告し、院内で共有することの重要性です。
言い換えれば、人間は時と場合によりいつでも誤った行為をする可能性があることを前提として、それを最小限にするための教育や講習などが重視されるのです。これは広い意味での安全管理(リスクマネジメント)の考え方でしょう。
医療現場の新人たちには、そのことを十分に理解させ、インシデント報告をためらわずに行うことが大切だと説くとともに、軽微な事案でも同僚、先輩、上司への報告が行いやすい体制と職場環境が求められます。
いったん重大な事故が起きてしまうと、中堅クラス以上の職員は、行政への報告、広報などにあたらなければならなくなります。その後、外部者を含めた委員会の設置や患者家族への対応も必要となり、現場は一層疲弊するという悪循環に陥ります。
新しい職員にはこれらのことを、現場での安全管理マニュアルなどを更新しながら教えていくことになりますが、やがて彼らが先輩として次の世代に引き継げるような医療システムがあることで、患者さんやご家族の安心を得られることができると思っています。(M.Y.)
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