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一般向けメールマガジン 第162号

HEART WEB NEWS No.162

=======================================【日本心臓財団 HEART WEB NEWS 第162号】2019年2月4日発行(月刊)
=======================================【目次】
 お知らせ
 トピックス:心臓突然死から多くの人を救命するために
 お知らせ:心臓の「叫び」に気づいてください。
 イベント情報
 ドクターのつぶやき:老衰死
 ご寄附のお願い

=======================================【トピックス】

 心臓突然死から多くの人を救命するために

 総務庁消防庁より平成30年版「救急・救助の現状」が発表されました。
 平成29年の1年間に、全国の救急隊員が搬送した心肺機能停止傷病者数は127,018名、そのうち心臓が原因の心肺機能停止傷病者数は、78,302名でした。そのうち一般市民による目撃があった傷病者数は25,538名で、そのうちの14,448名(56.6%)の方が、一般市民による心肺蘇生を受けていました。一般市民の半数以上の方が、目の前で突然倒れた方に心肺蘇生を行ったということです。
 その結果、救命された方(1ヵ月生存者数)が2,404名(16.6%)、1ヵ月後に社会復帰された方が1,724名(11.9%)おりました。一般市民が心肺蘇生を実施しなかった場合の1ヵ月生存者数が1,040名(9.4%)、1ヵ月後社会復帰者数が508名(4.8%)ですので、一般市民の方の救命活動により、救命率が約1.8倍、社会復帰率が約2.6倍に増加したことになります。

 さらに一般市民が行った心肺蘇生のうち除細動を実施された傷病者の1ヵ月生存者数は674名(53.5%)、1ヵ月後社会復帰者数は576名(45.7%)と、AEDを使用して除細動を行えば半数以上の方を救命できることもわかりました。
 ただ除細動が行われたのは、一般市民による目撃があった25,538名のうち1,260名と4.9%のみであり、このAEDを使用して除細動が実施される数をもっともっと増やしていく必要があります。

 AEDは日本全国に50万台以上、設置されているといわれています。多くの方が普段からAEDの使い方と胸骨圧迫の方法を知って、いざというときにAEDがどこにあるかを確認できれば、より多くに方を救命できると考えています。
 日本AED財団が開発した、みんなで作るAED MAP「AED N@VI」は、ボランティア登録された一般市民が情報を共有して作る新しいAED MAPです。皆さんが登録して身近にあるAEDの情報をアップすることで、正確な情報を日々更新できるAED MAPを目指しています。ぜひご協力ください。

 日本AED財団 AED N@VI
https://aed-navi.jp/

=======================================【お知らせ】

 心臓の「叫び」に気づいてください。(ACジャパン&日本心臓財団)

 この7月から1年間、テレビ、ラジオ、新聞広告を通じて、日本心臓財団の新しいACジャパンの支援キャンペーンが放送されます。
今回も、ユニークな内容で、高齢者の心不全を予防するため、とくに治療効果の高い弁膜症の早期発見と適切なタイミングでの治療を啓発します。

 ACジャパンのキャンペーンの動画ページ(リンク)
 https://www.ad-c.or.jp/campaign/support/support_03.html

=======================================【イベント情報】

 □■PUSHコース(東京慈恵医科大学)

 慈恵大学病院で偶数月に定期開催している、胸骨圧迫とAED使用法に特化した「慈恵PUSHコース」、約1時間で修了する簡易心肺蘇生法講習会です。アニメキャラクターのボジョレー君によるわかり易い指導ですので、大人の方はもちろんですが、小さなお子様でも十分にご参加いただけます。ぜひお気軽にご参加下さい。ご家族でのご参加、当日参加も大歓迎です。

日 時:2月16日 土曜日 午後2時から3時まで(予定)
場 所:慈恵大学病院 大学管理棟9階 カンファレンスAB会議室
参加料: 無料

お申し込みは以下のNPO法人愛宕救急医療研究会のホームページからアクセス下さい。
https://www.atagoqq.org/event/show/169

=======================================【ドクターのつぶやき】
 
 老衰死

 人口動態統計をみていると、死因別死亡数の統計に老衰死という項目があった。
 平成27年度の総死亡人口のうち、老衰死の頻度は6.6%であった。老衰死は60才台で始っていた。64才までで0.03%、65~69才で0.2%、70~74才0.4%、75~79才1.3%、80~84才3.3%、85~89才7.0%、90~94才13.8 %、95~99才22.4%であり、100才以上になると36.6%という。100才を越えると3分の1が老衰死であった。

 老衰死とは加齢による老化のために、細胞、臓器機能が次第に低下し、死亡したと判断される場合である。疾患があって死亡した場合にはその疾患を直接死因として記載することになっているので、老衰死は疾患が特定されず、自然経過で亡くなられたことを意味する。つまり、健康管理の上では恵まれた死であったといえるのであろう。

 老衰死の頻度を平成24年度の統計で各都道府県別に試算してみた。全国的には老衰死は全死亡数の6.6%であり、東京都でも6.6%だった。数値の高いところをピックアップしてみると、静岡9.8%、島根9.5%、鳥取9.2%、長野9.2%、山梨9.2%、三重8.9%、があり、低い方では、大阪4.2 %、福岡4.4 %、埼玉5.2 %、新潟5.3%、佐賀5.3%、沖縄5.5%、宮崎5.5%、であった。どうやら、仮定を裏付けるような意味があるように思えた。

 そこで平成27年度の東京都の人口動態統計をみてみた。老衰死の頻度は東京都全体の6.3%に対して世田谷区では7.9%であった。世田谷区はどの区よりも高かったのである。世田谷区民である私は大変、嬉しかった。喜んでよかったのであろう。この区はよい区なのであるという私の思い込みは間違っていないと思うことができて、ひそかに悦に入ったのである。(T.S.)

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