一般向けメールマガジン 第139号
HEART WEB NEWS No.139
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【日本心臓財団 HEART WEB NEWS 第139号】2017年3月2日発行(月刊)
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【目次】
トピックス:運動と生活習慣病
血管健康くらぶ
AEDサスペンスドラマゲーム
イベント情報
ドクターのつぶやき:喫茶店のカウンターで一服ができなくなることに
ご寄附のお願い
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【トピックス】
運動と生活習慣病
2016年12月4日に、東京・JPタワーにて日本循環器学会関東甲信越支部主催による第2回心肺蘇生法市民公開講座「生活習慣病から心臓突然死を予防する」が行われました。
今回は、その講演より、長山雅俊先生(榊原記念病院循環器内科部長)による「運動と生活習慣病」を紹介させていただきます。
長年にわたる悪い生活習慣によって引き起こされる疾患を生活習慣病といいます。遺伝的な要素も関連しますが、それ以上に食事や運動不足、ストレス、喫煙、飲酒といった悪い生活習慣の積み重ねによって起こるということが明らかになっています。
生活習慣を改善すること、とくに運動習慣をつけることで、どれほどの効果があるでしょうか。
今までの多くの研究結果からも、運動能力があればあるほど長生きをするということがわかっています。たとえ心臓病があっても運動能力が保たれている人は、健康な人で運動能力のない人よりも元気で長生きすることができます。また、運動していない人が運動を始めると、その人の生存曲線を伸ばすことができます。
運動を継続することによって、週単位で血管内皮の機能(血管壁の内面を覆い血管を保護しています)が改善します。月単位で毛細血管の発達(自然のバイパスが育つともいえます)が期待できます。動脈硬化そのものの退縮は年単位で期待できます。
お薦めの運動は、安全に行われることが第一で、ウォーキングが基本の有酸素運動です。最近は筋力トレーニングも安全に行われるようになりました。私のお薦めは、スクワット、太もも足上げ、かかと上げです。腕立て伏せも、膝をついて腕を広げて行えば楽にできます。
ただし、心臓の機能が悪い人は十分な注意が必要で、厳密な運動処方が必要になります。専門の先生に診ていただいてください。
高齢になっても心臓病になっても、運動で元気になることができます。自分に合った運動を楽しく続けて、健康で長生きをしましょう。
講演内容を詳しく知りたい方はこちら
http://www.jhf.or.jp/topics/2017/004347/
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【血管健康くらぶ】
身体よろこぶ動画をシェアしよう!
動脈硬化予防きっかけムービーをフェイスブックにて配信中。
血管健康くらぶのページ
(フェイスブックをやっていなくても観ることができます)
https://www.facebook.com/doumyakuc2/
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【AEDサスペンスドラマゲーム】
皆さん、もうやってみましたか?
日本循環器学会と「減らせ突然死」プロジェクトが制作した、AED・心臓マッサージを楽しく学べるサスペンスゲーム「心止村 湯けむり事件簿」。
ある老舗の温泉旅館で倒れたひとりの男。そこからはじまる命をかけたサスペンスゲーム。 問題を解いていくと、自然とAEDや心臓マッサージの方法が身につくゲーム型のウェブコンテンツです。
AEDサスペンスドラマゲーム
「心止村 湯けむり事件簿」
http://aed-project.jp/suspence-drama/
または「AEDサスペンス」で検索
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【イベント情報】
□■ 第81回日本循環器学会学術集会 市民公開講座
~笑って健康!頭と心~認知症と心臓病
日 時:2017年3月20日(月・祝) 14:00~16:30(受付開始13:30)
会 場:石川県立音楽堂
〒920-0856 石川県金沢市昭和町20-1
参加費:無料
対 象:一般市民 約1500名
主 催:第81回日本循環器学会学術集会、公益財団法人日本心臓財団、
朝日新聞社
後 援:石川県、公益社団法人日本医師会、公益社団法人石川県医師会
(後援は全て予定)
協 賛:第一三共株式会社
プログラム
第1部 講演
講演1 「脳卒中の知識と予防のコツ」
講師:山本 信孝(金沢脳神経外科病院 副院長)
講演2 「不整脈ってなんでなるの?」
講師:林 研至(金沢大学循環器病態内科学 助教)
講演3 「認知症をちゃんと理解していますか?」
講師:山田 正仁(金沢大学神経内科 教授)
第2部 特別講演
「笑いと健康の科学」:三遊亭 白鳥
第3部 事前質問への回答コーナー
司会:
山岸 正和(金沢大学循環器病態内科学 教授)
夛田 浩(福井大学循環器内科学 教授)
パネリスト:
山田 正仁、山本 信孝、林 研至、絹川 弘一郎、三遊亭 白鳥
☆参加ご希望の方は、1)郵便番号、2)住所、3)電話番号、4)氏名(ふりがな)、5)年齢、6)性別をご記入の上、はがき、FAX、またはE-Mailにて下記宛にお申込みください。
複数参加希望の場合は参加者全員の1)~6)をご記入ください。
☆締切り:2017年3月6日
〒105-8320 港区虎ノ門1-10-5 日土地虎ノ門ビル
(株)協和企画内「第81回日循市民」事務局係
ファクシミリ:03-6838-9229
E-Mail:seminar@kk-kyowa.co.jp
お問い合せ先:電話03-6838-9231(直)(土・日・祝日を除く10時から17時)
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【ドクターのつぶやき】
喫茶店のカウンターで一服ができなくなることに
今年に入り冷え込んだせいか、私の外来に通院していた患者さんのうち2人が新たに心筋梗塞をおこしました。
どちらもこれまでコレステロールや血圧のコントロールが主で、狭心症などの既往がない方でしたが、若い頃から喫煙されていて、おひとりは何度も禁煙指導をしましたがうまくゆきませんでした。幸いこの方もステント留置で経過は順調ですが、今後はコレステロールの強力な下降と、それに何よりも禁煙が必須です。
ところでこの患者さん、数年前に営業の仕事を退職したのですが、現役のころから行きつけの喫茶店でコーヒーとタバコで休憩するのが、生きがいのような方でした。
さて、このような主治医を悩ませるタイプの患者さんも、街のカウンターでマスター相手にちょっと一服が難しくなる可能性がでてきました。
2020年の夏季東京五輪・パラリンピックにむけてレストランなどの禁煙が法制化されようとしているからです。
これは五輪・パラリンピックを開催する国または都市は、公共空間での屋内完全禁煙を実施するという国際的な申し合わせに基づくものですが、厚生労働省が2016年10月に示した案では、小中学校、高校、医療機関は敷地内禁煙、官公庁、スタジアムなどの大規模施設は建物内禁煙とする一方、飲食店、ホテルなどのサービス業や鉄道などの交通機関は原則禁煙としつつも喫煙室の設置を認めるとしています。
喫煙室の設置を認めるのは、小規模な飲食店などの強硬な反対があったためとも言われ、ロンドン五輪を開催した英国が全面禁煙としたのに比べてかなり緩いものです。
このようななか、日本内科学会など27学会でつくる禁煙推進学術ネットワークや日本医師会などの医学関係団体は東京五輪・パラリンピックに向け公共空間での屋内完全禁煙を定める受動喫煙防止法・条例の制定を国や東京都などに求める要望書を発表しました。
その根拠として受動喫煙のリスクが高いことをあげています。受動喫煙とは、喫煙者のたばこの先から出る副流煙と喫煙者が吐き出した呼出煙を吸入することで、厚生労働省の研究班の報告では、受動喫煙による死亡が推定で年間1万5千人に上ると指摘し、仮に喫煙室を設置しても完全に非喫煙者の受動喫煙は防止できないことに加えて、喫煙室で清掃などに従事するする従業員が極めて高い濃度のPM2.5によつ重大な健康被害を受けるため、屋内の完全禁煙を求めています。
2月に入り、国会では厚労部会で「五輪というなら法律でなく開催都市である東京都の条例としてやれ」といった反対論に対し、「この際すべての受動喫煙を一掃すべきた」と賛成派もあり、もさまざまな意見が交錯しています。
「喫茶店や小売店など小さな店舗の営業に影響が出るから分煙で」という業界の事情もあるでしょうが、禁煙室内に充満する高濃度のPM2.5への被爆の健康被害を考えると、私たちは国際基準に対応させることはもちろん、重大なタバコの健康への影響についても、これを機に真剣に考えるべきと思います。(M.Y.)
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