一般向けメールマガジン 第122号
HEART WEB NEWS No.122
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【日本心臓財団 HEART WEB NEWS 第122号】2015年10月5日発行(月刊)
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【目次】
TOPICS :笑いと心臓病
血管健康くらぶ
イベント情報
ドクターのつぶやき:シルバーウィークが過ぎて
ご寄附のお願い
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【TOPICS】
笑いと心臓病(住吉徹哉先生ご講演より)
先日(9月20日)、横浜で第63回日本心臓病学会学術集会(会長:山科章 東京医科大学教授)の市民公開講座「笑いと心臓病」が開催され、榊原記念病院の循環器内科医師で日本笑い学会会員でもある住吉徹哉先生によるご講演と、三遊亭兼好師匠による落語が行われました。
住吉先生による笑いがもたらす心臓病予防効果の解説と、兼好師匠の落語による大笑いによって、聴衆した市民は大満足していました。
今回は、その住吉先生のご講演を簡単に紹介します。
笑うことで病気を予防したり、治療効果があることが知られています。それは、ストレスが病気を作るといわれ、そのストレスが身体にもたらす悪い作用を笑いによって防ぐことができる可能性があるからです。
ストレスは大脳の前頭葉などに働いて、視床下部から下垂体を介して副腎皮質ホルモンであるコルチゾールを分泌させます。またナチュラルキラー細胞(NK細胞)の活性を抑制して、免疫力を下げます。さらに自律神経系に働いて交感神経を緊張させ、アドレナリンなどの分泌により血圧や心拍数を上げます。
このストレスによる悪循環の経路は、笑うことによってブロックされるといわれております(笑いの脳内リセット理論)。
笑い、すなわちポジティブな感情が心臓病に効果があるという可能性を示唆した論文もあります。
カナダでは、1700人余りを対象に、ポジティブな感情を持っている人と、そうでない人で心筋梗塞・狭心症の発症率を調査したところ、前者で発症率が下がり、後者で上がるという結果が出ました。
また、日本でも8万8千人を12年間追跡調査し、「あなたは生活をエンジョイしていますか」という質問に対し、「していない」「しっかりしている」「どちらともいえない」という回答によって心臓病罹患率、死亡率を調べた結果、「していない」と答えた人で高いことがわかりました。
アメリカの学会報告では、一日30分陽気に笑えば心筋梗塞の患者さんの薬の量が減らせる可能性があるという発表もされています。
住吉先生は患者さんに、薬の処方箋と一緒に「笑方箋」を渡しているそうです。そこには「1日5回、1分以上笑うこと」と書かれています。副作用は「笑うとお腹が痛くなること?」ですが、心臓病にも大変効果があるとのことです。
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【血管健康くらぶ】
日本心臓財団と動脈硬化予防(研究・行動)啓発センターの共同制作による動脈硬化予防啓発サイトです。生活サイクルや性格に合わせた簡単な動脈硬化予防法を身につけましょう。
第47回日本動脈硬化学会学術集会市民公開講座より「動脈硬化とはどんな病気?」(及川眞一先生講演)をコラムに追加しました。
血管健康くらぶ
http://www.doumyaku-c2.jp/
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【イベント情報】
□■慈恵PUSHコース開催
一般の方々を対象にした、簡易心肺蘇生コース「PUSHコース」
(胸骨圧迫とAED使用法に限定した、お子さんにもわかりやすい講習)
日 時:10月17日(土)10:00~11:00(予定)
場 所:慈恵大学病院(新橋本院) 高木会館1階ロビー
東京都港区西新橋3-25-8
参加費:無料
申込み:管理課03-3433-1111(代表)
*当日飛び入り参加も可。
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【ドクターのつぶやき】
シルバーウィークが過ぎて
気がつけば、朝方は冷え込みを感じるほどになりました。土曜を含めると5連休となった今年のシルバーウィークですが、9月21日の敬老の日は各地でお祝い行事がありました。
総務省によりますと、今年は団塊の世代とよばれる1947年から1949年生まれのすべてが65歳以上の高齢者となり、高齢者の総人口に占める割合も26.7%と過去最高で、今後も高水準で推移するとされています。さらに75歳以上の後期高齢者は1637万人で、私たちの8人に1人以上を占めることになります。
さて、わが国の死亡の原因をみると、心臓病はがんに続いて2位です。なかでも狭心症や心筋梗塞などの虚血性心疾患は、心臓に血液を供給する冠状動脈の破綻により起こりますが、その頻度は年齢とともに増加します。したがって高齢者が今後ますますふえてゆくわが国においてその対策は重要な課題です。
最近の医療の進歩に伴い、高齢者においても虚血性心疾患に対して早期に冠動脈形成術などを行い救命することが可能になっています。
しかし高齢者は一旦心疾患をきたすと重症化しやすく、また若い人と比べ発症しても胸痛などの症状を訴えず、治療開始が遅れることが少なくありません。加えて高齢者は心臓以外に腎臓などに合併症を持っていることもあります。
すなわち高齢であればあるほど、一度心疾患をきたすと、たとえ死に至らなくとも多くの問題が生じる可能性が高いのです。その結果、生活の範囲が制限され、介護が必要となるケースも多くなります。
虚血性心疾患は気温の低い時期に多く発症することが知られます。高血圧、糖尿病や、高コレステロール血症などの脂質異常症は虚血性心疾患をきたしやすい病態とされていますが、秋の深まりとともに、これらの病気をお持ちの方はもちろんのこと、普段異常がないといわれている方でも季節の移り目には十分な体調管理をして心臓や血管をいたわって頂きたいと思います。(M.Y.)
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