一般向けメールマガジン 第117号
HEART WEB NEWS No.117
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【日本心臓財団 HEART WEB NEWS 第117号】2015年5月8日発行(月刊)
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【目次】
TOPICS :世界禁煙デー2015
イベント情報
ドクターのつぶやき:超高齢社会と健康寿命の延伸
ご寄附のお願い
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【TOPICS】
世界禁煙デー2015
毎年5月31日はWHO(世界保健機構)が提唱する世界禁煙デーです。毎年、WHOがテーマとなる標語を発表しますが、今年は「Stop illicit trade of tobacco products」、正式な和訳は発表されていませんが、タバコの不法取引を禁止しています。
日本では、厚生労働省より、「2020年、スモークフリーの国を目指して ~東京オリンピック・パラリンピックへ向けて~」というテーマを掲げました。
2005年にFCTC(タバコ規制枠組み条約)が発効されてから、ちょうど10年、そして5年後に東京オリンピックを控え、たばこを減らすことで命を守ることを目的に、わが国もスモークフリーの国を目指すとしています。
タバコはさまざまな病気の発症と関連がありますが、循環器疾患の原因としても、高血圧と喫煙が2大危険因子といわれています。そして高血圧で喫煙している場合には、60歳未満での循環器死亡率が4倍になります(NIPPON DATA 80)。
さらに、タバコを吸わない人が、吸う人の近くにいて煙を吸い込んでしまうことを受動喫煙といいますが、受動喫煙によっても心筋梗塞、脳卒中、肺がんで死亡する危険が高くなることがわかっています。
5月31日を中心に、さまざまな禁煙及び受動喫煙防止の普及啓発活動が各地で行われます。ぜひ参加して、禁煙と受動喫煙防止を実行するきっかけにしませんか。
2015年世界禁煙デー(厚生労働省ホームページ)
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000083710.html
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【血管健康くらぶ】
日本心臓財団と動脈硬化予防(研究・行動)啓発センターの共同制作による動脈硬化予防啓発サイトです。生活サイクルや性格に合わせた簡単な動脈硬化予防法を身につけましょう。
血管健康くらぶ
http://www.doumyaku-c2.jp/
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【イベント情報】
□■世界禁煙デー関連
☆World No-Tobacco Day(世界禁煙デー)記念イベント2015 in Tokyo
主催:タバコ問題首都圏協議会、東京/日本橋禁煙推進研究会
日時:2015年5月30日(土)13:30~18:15
場所:国立オリンピック記念青少年総合センター セミナーホール 他
東京都渋谷区代々木神園町3-1
プログラム
○シンポジウム
・講演1 FCTC発効から10年~世界の動きと現状~
宮崎恭一(全国禁煙推進協議会 事務局長)
・講演2 FCTC発効から10年~日本の動きと現状~
渡辺文学(一般社団法人タバコ問題情報センター代表理事)
・日本禁煙学会 無煙映画大賞 授賞式
・パネルディスカッション「受動喫煙のないTokyo 」をめざして
コーディネータ:村松弘康
パネリスト:尾辻秀久、野上純子、尾崎治夫、山下優子、他
○Smoke-Free Walk 2015 in Tokyo
参加費:無料
詳細:http://www.nosmoke-shutoken.org/
☆2015年世界禁煙デー記念イベント「受動喫煙防止条例制定に向けて」
~2020年東京オリンピック・パラリンピックを
無煙環境で成功するためには~
主催:日本医師会、たばこと健康問題NGO協議会、日本禁煙学会
受動喫煙のない日本をめざす委員会
日時:2015年5月31日(日)14:30-17:00 (開場13:30)
場所:日本医師会 1階大講堂
東京都文京区本駒込2-28-16
講演
1.東京オリンピック・パラリンピックを迎えるにあたって
無煙環境をどのように整えるか?
(現在の日本及び東京都での喫煙状況と問題点について)
望月友美子
2.受動喫煙の健康被害の実態
村松弘康
3.東京都医師会の受動喫煙防止条例への取り組み
野村英樹
4.受動喫煙防止法制定への取り組み
(法律化への取り組み状況の報告)
松沢成文
シンポジウム
「2020年東京オリンピック・パラリンピックを無煙環境で
成功するためには」
参加費:無料(事前申込み)
E-mail : fukyu@jatahq.org、Fax 03-3292-9208
ご所属・ご氏名・連絡先(メールまたはファックス)をお知らせ下さい。
☆2015年世界禁煙デー特別ブログラム
主催:厚生労働省
日時:2015年6月1日(月)13:00開場
場所:丸ビルホール
東京都千代田区丸ノ内2-4-1 丸ビル7階
がんサミットプログラム 《 時間 13:30~17:00 》
1 関係国会議員等からの御挨拶
2 基調講演(いずれも仮題)
・国のがん対策が目指すもの
・がん研究の未来 等
3 世界禁煙デー特別プログラム
・パネルディスカッション(有森裕子氏、小出義雄氏 他)
4 トークディスカッション
・患者のためのがん対策に向けて(仮題)
(学識者・行政・患者団体関係者)
参加費:無料(事前申込み)
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000083710.html
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【ドクターのつぶやき】
超高齢社会と健康寿命の延伸
「高齢化社会」・「高齢社会」・「超高齢社会」にはそれぞれ定義があり、65歳以上の高齢者人口が総人口の何%を占めるかによって、呼称が変わります。高齢化社会は 7-14%、高齢社会は14-21%、超高齢社会は21%以上で、我が国は世界で唯一、超高齢社会に突入しています。イタリア、ドイツも近く超高齢社会の仲間に入ることになります。
さらに、我が国は高齢化速度でも世界最速です。高齢化社会から高齢社会に達する所要年数は、日本がわずか24年でしたが、ドイツは42年、フランスは114年かかっており、我が国の高齢化速度は驚くほどスピードが速いのです。そのうえ、少子化が加わって、40年先(現在40歳の人が80歳になる頃)には、日本の高齢化率は40.5%になると予測されており、この数字は戦争でもない限り、ほぼ確実に現実化する数字です。これから日本は若い世代(労働世代)の生産性が余程高くならない限り、高齢者は経済的に自立しなければ生存できないことになります。
医療についても、例外ではありません。我が国は世界で最も長寿の国(平均寿命;男80.2歳、女86.4歳)でありますが、これからは平均寿命よりも健康寿命を伸ばすことが最も大切になるでしょう。健康寿命とは2000年にWHOが提唱した概念ですが、 健康寿命=平均寿命―平均介護年数と定義されます。つまり、日常的に介護を必要としない自立した生活が出来る生存期間のことで、我が国の健康寿命は男70.4歳、女73.6歳でこれも世界一ですが、高齢者の自立は今後も強く求められることになります。
医学的な自立は文字通り、自分で立って歩けることがその基本です。我が国の介護要因の上位は (1)脳卒中(後遺症)、(2)認知症、(3)転倒、骨折、関節疾患などのロコモティブ症候群です。また、これらはすべて、フレイル(高齢者の虚弱)の原因にもなります。がんや心臓病は、確かに日本人の死因の上位を占めていますが、健康寿命の短縮にはあまり寄与していません。
したがって、これからの医療の重大目標が大きくシフトすることは目に見えており、しかも、コスト・ベネフィットの考え方がより強く求められるようになるのも間違いないものと思われます。このことは、「健康日本21」でも謳われていますが、我々国民が現実の問題として認識すると同時に、世界のお手本となるような医療モデルを日本が提案していかなければなりません。(M.H.)
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