一般向けメールマガジン 第110号
HEART WEB NEWS No.110
【日本心臓財団 HEART WEB NEWS 第110号】2014年10月1日発行(月刊)
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【目次】
TOPICS :心臓リハビリテーションの効果
イベント情報
全国心臓病の子どもを守る会「子どもが心臓病と言われたら」
特別寄稿「少子・超高齢化社会における循環器病対応」和泉 徹
ご寄附のお願い
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【TOPICS】心臓リハビリテーションの効果
(榊原記念病院副院長 伊東春樹)
近年、心臓手術後に運動療法を行うことが予後を改善し、患者さんの生活の質を高めることがわかってきました。こうした心臓病の運動療法を中心とした生活習慣改善の総合的なプログラムを心臓リハビリテーションと呼んでいます。
最近の研究では、心筋梗塞になっても心臓リハビリテーションを行えば、6.6年間で死亡数は半減(56%減少)して心筋梗塞にならなかった場合と同じ寿命が得られたという結果も出ています。
日本でも多くの病院が再発率を減らすための心臓リハビリテーションに力を入れ始めています。
心臓リハビリテーションは長期間続けるほど効果があるのですが、患者さんそれぞれの病状や体力に合わせた専門のプログラムが必要なため、医療従事者や運動指導者の管理が必要です。
しかし、5ヵ月で保険診療期間が切れてしまうため、病院で継続することが難しくなっています。
そこで、保健医療の継続申請や「選定療養」として患者負担で行う方法のほか、NPO法人ジャパンハートクラブの運営するメディックスクラブのような、各地の既存施設を利用した「心臓リハビリテーション指導士」が指導する運動療法コースなどの利用も有効です。
近年、こうした心臓リハビリテーションの運動療法は、心臓病予防としても活用されています。
*詳細は日本心臓財団:今月のトピックス「心臓リハビリテーションの効果」
をご覧ください。
http://www.jhf.or.jp/topics/2014/003607/
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【イベント情報】
□■第7回心臓病市民公開講座in福山
~高血圧 サイレントキラーからあなたを守るために~
日 時:2014年10月4日(土)13時30分から16時
場 所:広島県民文化センターふくやま
共 催:福山市医師会循環器病研究会、福山市医師会、塩野義製薬
参加費:無料(先着500名、要事前申込み)
内 容:
パネルディスカッション(仮)
『元気で長生き!血圧管理で防ごう脳卒中!』
高松 和弘(脳神経センター大田記念病院)
『高血圧と心臓病』
竹本 俊二(福山医療センター循環器内科)
『糖尿病・腎臓病の血圧管理』
石井 啓太(中国中央病院 腎臓病・糖尿病内科)
『血圧をいきいきさせる運動療法』
湯口 聡(心臓病センター榊原病院 リハビリテーション科)
講演
『減塩について(仮)』
日下 美穂(日下医院)
参加申込み:塩野義製薬株式会社
電話:084-925-2929 FAX:084-926-2574
□■第37回日本高血圧学会市民公開講座
1)正常な血圧って何だろう
日 時:2014年10月17日(金)17:30~19:00(受付開始 17:00)
会 場:パシフィコ横浜 会議センター1F メインホール
主 催:第37回日本高血圧学会総会、
メタボリックシンドローム撲滅委員会
定 員:300名(事前申込み)
講演内容:
「高血圧治療ガイドライン2014」と生活習慣病
島本 和明(札幌医科大学)
「特定保健指導と血圧対策」
津下 一代(あいち健康の森健康科学総合センター)
「はらすまダイエット」などの血圧に及ぼす効果
中川 徹(日立製作所日立健康管理センター)
*申込み方法等詳細は下記学会HPを参照ください。
http://www.congre.co.jp/37jsh/contents/lecture.html
2)ついついすれ違ってしまう医療コミュニケーション
~調査でわかる!?医者とみんなのホンネ~
日 時:2014年10月18日(土)17:30~19:00(開場 17:00)
会 場:パシフィコ横浜 会議センター1F メインホール
主 催:横浜市立大学
出 演:町 亞聖(アナウンサー)、玉ちゃん(浅草キッド・タレント)、
なべやかん(タレント)、武部 貴則(横浜市立大学 准教授)、
白崎 修(オムロンヘルスケア 医学博士)、
宮川 政昭(宮川内科小児科医院 院長)
*健康測定コーナーあり
*事前登録不要、参加費無料
3)血圧を下げて元気で長生き
日 時:2014年10月19日(日)13:30~15:30(受付開始 12:30)
会 場:はまぎんホールヴィアマーレ
(横浜市西区みなとみらい3丁目1-1)
主 催:横浜市立大学
定 員:450名(事前申込み)
講 演:
高血圧をよく知ろう:島本和明(札幌医科大学)
高血圧を克服しよう:松岡博昭(宇都宮中央病院)
グレートジャーニー、伝統社会の病気と治療:
関野 吉晴(武蔵野美術大学 文化人類学 教授)
*申込み方法等詳細は下記学会HPを参照ください。
http://www.congre.co.jp/37jsh/contents/lecture.html
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【子どもが心臓病と言われたら】
全国心臓病の子どもを守る会では、先天性心臓病のお子さんを持つご家族向けに小冊子「先天性心臓病のためのハンドブック」(B6判、16ページ)を制作しています。
2012年に第一弾「子どもが心臓病と言われたら」を発行し、突然、赤ちゃんが心臓病と言われて驚きと悲しみ、不安でいっぱいのご両親に、原因は不明で、誰のせいでもないこと、そして病気や医療費、日常生活についてやさしく解説し、また経験者の言葉を掲載して、多くの患者さんご家族から好評を得ました。
今回その第二弾として、「子どもが心臓病と言われたら(幼児・学童編)」が刊行されました。先天性心臓病を持ったお子さんが、幼稚園、小学校と小さな社会に出て行く中で経験するさまざまな出来事について、ご両親へのアドバイスや子どもたちの体験談を掲載しています。
詳しくは、全国心臓病の子どもを守る会(http://www.heart-mamoru.jp/)にお問い合わせください。
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【特別寄稿】
少子・超高齢化社会における循環器病対応
恒仁会 新潟南病院 統括顧問/北里大学 名誉教授
和泉 徹
昔から駅中のカオスが気になって仕様がない。そんな私の眼には新宿駅と東京駅のカオスにも違いがあると感じている。新宿には若々しさがある。でも少々荒っぽい。東京駅ではそれに比べ円やかである。でもオルドヌングを好むドイツの駅中とは比べものにならない。このカオスが今後どのように様変わりするのであろう。
ここにきて2025年問題が姦しい。75歳以上が総人口の20%を超し、若年者が10%を割り込む少子・超高齢社会の到来、それが社会保障費を140兆円規模に膨らませる。"だから、医療・介護・生活支援に万策を尽くそう"、との論調である。今年、2014年の診療報酬改定はこの行政誘導オンパレードである。
地域包括ケアシステムはその最たるものである。超高齢者への住まい・医療・介護・予防・生活への一体的支援を中学校区単位で早急に造り上げていくとの提言である。"だから、医療機関はその役割をハッキリさせろ!"と言ってきた。経緯は兎も角、随分荒っぽい。でも分かる気もする。
共同体思考が遺っていればうまくいくだろう。しかし、既に超高齢者で埋め尽くされたところは難しい。何しろ体力が無い。住民も地域もフレイルに陥っている。一方、若者に溢れるところでも難しい。共同体は崩壊し、相互扶助は希薄である。
医療のプロ、循環器専門医は大丈夫か?それが甚だ心許無い。多くの超高齢者は循環器病の塊である。単に心臓病や血管病として切り分けられない。また多疾患有病者は局所病変なぞ関心がない。疾病や加齢で陥ったフレイルに病んでいる。立てない、食べられない、歩けない、トイレや買い物に行けない、ことに病んでいる。果たして、医療のプロは超高齢者のこのニーズに応えているだろうか。
日本心臓財団や日本循環器学会ももうひとつのシナリオを用意せねばならない。超高齢者の循環器病への適切対応である。今はカオスの中にいる。円やかに立ち向かうときであろう。
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