メールマガジン

日本心臓財団では、皆さまにより多くの情報をお届けするため、
月に一度、メールマガジンを発行しております。

一般向けメールマガジン 第99号

HEART WEB NEWS No.99

======================================================================
【日本心臓財団 HEART WEB NEWS 第99号】2013年11月1日発行(月刊)
======================================================================
【目次】

TOPICS「心房細動と脳梗塞:FASTに気をつけて」
イベント情報
 ドクターのつぶやき「長生きは人生の最終目標か? 長寿社会を福寿社会へ」
 ご寄附のお願い
 
======================================================================
【TOPICS】心房細動と脳梗塞:FASTに気をつけて

 高齢者が多くなるに伴い、心房細動という不整脈が増えています。この心房細動が怖いのは、心房細動によって心臓の内部にできた血栓が脳の血管まで流れて、脳の血管を塞ぎ、心原性脳梗塞(脳卒中)を起こす危険が高くなることです。
 心房細動があると、心房細動がない人より、3~5倍、脳梗塞になりやすいそうです。また、心原性脳梗塞は、脳出血と同様、急性期に亡くなる人が多く、とても危険な病気です。(脳出血の約15%、心原性脳梗塞の約13%が急性期に亡くなるというデータがあります)

 もし脳梗塞を起こしたら、すぐ病院に行くことが重要です。それは「FAST」と呼ばれています。すなわちF:顔の表情がゆがむ(Face)、A:片腕に力が入らない(Arm)、S:言葉のろれつが回らない(Speach)という症状が出たら、T:すぐに(Time)救急車を呼びましょう、ということです。
 詰まった血栓を溶かすt-PAという薬剤は、4.5時間以内に投与する必要があります。ですから、1分でも早く病院に行くことが重要なのです。

 こうした症状が起きても、すぐに消えてしまう場合もあります。これは一過性脳虚血発作(TIA)と呼ばれるものですが、これは脳梗塞を起こす前の危険なサインです。TIAがあった人の10~20%が3ヵ月以内に脳梗塞を起こし、さらにその半分の人は2日以内に発症するといわれています。

 家族や身の回りの人の、FASTに気をつけましょう。

参考:公益社団法人日本脳卒中協会ホームページ
 http://www.jsa-web.org/

*第28回日本不整脈学会市民公開講座 星野晴彦先生(東京都済生会中央病院)のご講演より

======================================================================
【イベント情報】

 □■東京医科歯科大学循環制御内科・歯周病科
   第1回市民公開講座『歯周病を予防して全身を守る』

 日 時:2013年11月9日(土) 14時~16時15分
 会 場:東京医科歯科大学 M&D タワー2 階 鈴木章夫記念講堂
    (東京都文京区湯島1-5-45)
 プログラム:
   講演1「正しく理解!歯周病のすべて」和泉雄一
   講演2「だから怖い!歯と心臓の意外な関係」磯部光章
   講演3「知りたい!歯周病と糖尿病」小川佳宏
   講演4「元気に長生き!口腔ケア」荒川真一
   パネルディスカッション
 主 催:東京医科歯科大学 循環制御内科/歯周病科
 後 援:日本心臓財団ほか
     http://www.tmd.ac.jp/outline/open-lecture/sonota/

======================================================================
【「消費者のためになった広告コンクール」金賞受賞のお知らせ】

 昨年10月から本年2月までBS日テレで放映された「生命のハーモニー」のCMとして流れた「AED普及促進:あなたしか救えない命(1)川崎さん編」(PUSHプロジェクト:日本心臓財団・大阪ライフサポート協会)が、第53回消費者のためになった広告コンクール(公益社団法人日本アドバタイザーズ協会)で金賞を受賞しました。
 このCMは、日本心臓財団のホームページやYoutubeでも流しているメッセージビデオ「あなたしか救えない命」を短く編集したものです。

 あなたしか救えない大切な命(PUSHプロジェクト)メッセージビデオ
 http://www.jhf.or.jp/aed/movie.html

 PUSHプロジェクト
 http://osakalifesupport.jp/push/

 公益財団法人 日本アドバタイザーズ協会
 http://www.jaa.or.jp/index.html

======================================================================
【ドクターのつぶやき】

 ‐長生きは人生の最終目標か? 長寿社会を福寿社会へ‐

 現在、日本の男女平均の寿命は世界第一であり、長生きの視点からは最も恵まれた国といえよう。昨年5月に100歳以上の方は全国で50,000人を越えている。
 最長寿国を実現できた要因は診断・治療のめざましい進歩があり、それを支えた臓器別診療の確立は大きい。

 健康長寿は長生きの理想であるが、健康日本21(第2次)によると、平均寿命と健康寿命の差は、平成22年の統計で男性は9.13年、女性は12.68年である。この差は介護寿命といえる。
 すなわち長寿社会になると健康寿命だけでなく介護寿命も延長し、少子高齢化時代の介護寿命に対する取り組みは深刻な社会問題である。
 介護が必要になる要因は、生活習慣病、認知症、高齢による衰弱、骨・関節疾患、骨折・転倒などによる寝たきり状態、いわゆる老化現象であり、人生これを阻止することはできない。

 健康が破綻して速やかに死がおとずれるのであれば、健康長寿の促進に全力を結集すればよい。しかし、現実は医療技術の進歩で以前は死亡していた様々な病人が延命し、健康を破綻し障害を抱えた寿命が待っている。
 住宅問題や仕事の関係で家族と一緒に老後を過ごせない方が普通であり、さらに伴侶に先立たれ独りの人生が数年~10年も続くと思うと幸せな人生とは言い難い。人生の最後の介護寿命をいかに豊かに幸せにするか、医療従事者も国民も真剣に考えるべきであろう。
 医療技術も、医療産業も、医療政策も、最先端の技術と資本を介護寿命の充実に注入すべき時代に来ているのではと思う。長寿社会を長生きして幸せだったと思える福寿社会にと実現したいものである。

 現実は相変わらず新薬の開発を含め新しい治療の開発に優秀な人材と莫大な資本が投入され、その目標は病気の予防と健康寿命の延長である。
 新たな医療の柱となる再生医療の発達は、臓器別診療を促進し、長寿社会を一層推進するであろう。同時にそれは臓器別診療(再生医療)が健康長寿の推進と、介護寿命の延長を促進する二面性を忘れてはならない。
 開発目標の中に人生を豊かにする全人的医療に対する哲学を持ちたい。臓器別治療とともに、心身と人格を大切にする全人的医療が、介護寿命の高齢者医療には重要である。人生の最後を幸せに感じる社会にしたいものである。(C.T.)
                
======================================================================
【ご寄附のお願い】

 日本心臓財団は皆様の寄附により支えられております。
 http://www.jhf.or.jp/kifu/
 なお、日本財団の提供するシステム(CANPAN)を利用して、当財団で
もインターネットによる寄附(賛助会費含む)ができるようになりました。
 カード決済になりますが、こちらのほうが便利な方はぜひご利用のうえ、ご
寄附をいただけますと幸いです。なおご寄附につきましてその金額は問いませ
ん。
 また当財団への寄附は税制上の優遇措置が受けられます。なにとぞ宜しくお
願いいたします。

======================================================================
 日本心臓財団HEART WEB NEWS
 発行:日本心臓財団
 http://www.jhf.or.jp/

[ご意見・ご感想、配信先変更・配信中止等はこちらのアドレスにご連絡くだ
さい]
 response@jhf.or.jp

メールマガジンアーカイブ

こちらのアーカイブでは過去に配信されたメールマガジンをご覧いただくことができます(登録不要)。

一般向け

メディア・医療関係者向け

高齢者の心臓病 高齢者の心臓病
CLOSE
ご寄付のお願い