マルファン症候群
まるふぁんしょうこうぐん
遺伝子異常(染色体15番q21)により骨格系、眼、心臓血管系に特異な病変を来す病気。動脈の中膜が嚢胞状中膜壊死という状態にあるため、大動脈弁輪部の拡張を来して大動脈弁閉鎖不全となり(図A,B)、さらに大動脈解離を併発することが多い。長幹骨がよく発達して長身の特異な体型となり、手足の指が長く、皮膚の過進展、水晶体亜脱臼による高度近視などを示すことがある(図C)。治療としては大動脈弁閉鎖不全に対する弁置換と冠動脈再建を同時に行う大動脈基部置換が必要となる(図D、ベントール手術原法)。
<目で見る循環器病シリーズ4 血管疾患 メジカルレビュー社 1993年 編集:川田志明>