その他(バイパス手術、PCI、ステントなど)とは
カテーテル・インターベンション
バルーン(風船)による冠動脈血行再建法をいいます。「風船療法」と説明されたり、PTCA(本来は古典的なバルーン治療を指す)と略語で呼ばれたりすることもありますが、一括して「コロナリー・インターベンション」と総称されています。
冠動脈造影と同じように、カテーテルという細い管を直接冠動脈の入り口まで挿入します。このカテーテルの中を通して細い(0.010インチ-0.018インチ)針金を狭窄部の先まで送り込みます。この針金をガイドにしてバルーンを狭窄部まで持っていき、バルーンを膨らませて狭窄を押し広げ拡張させるのです。全体の所要時間は数十分から数時間です。術後の安静時間は施設によってさまざまです。
狭窄した冠動脈をバルーンで押し広げたあとに、ステント(コイル状の金属)を留置することもあります。ステントを入れて広げられた狭窄部は内側から支えられ、再び狭窄することを防ぎます。
バイパス手術
冠動脈バイパス術は、冠動脈の狭い部分には手をつけず、身体の他の部分の血管を使って狭窄部分の前と後ろをつなぐ別の通路(迂回路;バイパス)を作成して、狭窄部を通らずに心筋に血液が流れる道をつくります。
バイパスに用いる血管(グラフト)には、足の静脈(大伏在静脈)、胸の中で心臓の近くにある左右内胸動脈、胃のそばにある右胃大網動脈などを使います。
この手術は1970年代に導入され、現状では心臓外科でもっとも多い手術です。
最近になって新しい方法(MIDCAB:ミッドキャブと呼ばれています)が開発され、日本でも盛んに行われるようになっています。これは、従来行われていた人工心肺装置や心停止法を使用せず、また胸骨の切開を小さくすませる低侵襲性の手術です。心臓が拍動した状態で手術をするため、それを助ける器具類がたくさん開発されています。
なお、視野の悪い心臓の裏側を走る冠動脈を手術する場合には、胸骨はある程度大きな切開になるものの、やはり人工心肺を使わない方法も開発されており、従来の方法に比べ同じ程度の質でありながら回復が早いことがわかっています。
妊娠と期外収縮、小学校の心電図検診でQS型といわれた、不整脈と弁膜症で心不全に、狭心症の疑いなど、日本心臓財団は7,500件以上のご相談にお答えしてきました。